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レオノール・フィニ展@名古屋市美術館

2005年12月03日
051203_6.jpg名古屋市美術館まで「レオノール・フィニ展」を見に行ってきた。アルゼンチン生まれの「幻想とエロスの異色の女性画家」ってことだそうで、今回初めて知った。こういう「幻想とエロス」みたいなタイプは5年くらい前だったらまさにストライクゾーンだったのだが、正直言ってここ何年かは興味を失いつつある。今はこういうイメージ先行型よりももっと抽象っていうか、造形自体の面白さの方に食指が動く(今の音楽に対する興味もこれと同じような傾向だ)。とは言え、名古屋でこういうメインストリームから外れたタイプの展覧会を見られる機会は少ないので、とにかく行ってみた。チラシで使われてた作品もよさげだったし。

この展覧会は6月から7月にかけて渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでもやってたものらしく、全国を巡回してるのかな?確かにいかにもBunkamuraっぽい企画だ。Bunkamuraでやる展示ってかなり好みのタイプが多くて、東京に住んでたときはしょっちゅう行ってたなぁ。あそこでやる企画は、毎回名古屋にも輸出してくれないかなぁ。名古屋に来てから、ほんとにこういうのに心底飢えている。Bunkamuraは展覧会の後の「ドゥ・マゴ・パリ」での食事もいいんだよね~。海外の美術館って併設カフェやショップのレベルが高いけど、Bunkamuraは日本ではかなりイケてる方だと思う。NADiffもあるし。騒々しい渋谷で、あの一帯は大人なムード♪(ってか、渋谷にも長いこと行ってないから地理を忘れつつある・・・^^;)

さて、話を本題に戻そう。レオノール・フィニは1907年アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。裕福なアルゼンチン人の父とイタリア人の母の間に生まれるが、母は暴君的な夫から逃れて、1歳のフィニを連れて故郷のトリエステ(北イタリア)に戻る。反抗的で学校から放逐されたりするが、芸術的な環境で育ち、長じてミラノに出て、パリに拠点を移す。パリではシュルレアリスト達と親交を深め、彼らの展覧会に出品もするが、アンドレ・ブルトンと折り合いが悪くなり、次第にシュルレアリスムから離れる。
独創的で強烈な個性を持つ彼女は、その美貌もあってパリの社交界の花形だったが、奔放で過激な姿勢はタブー視されることも多かった。多才な彼女は第2次大戦後は多くの舞台の衣装と舞台デザインや、宝石デザインなども手がける。また、何編か小説も書いている。

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↑初期の作品「守護者スフィンクス」。彼女はラファエル前派に強い影響を受けているそうだが、確かに色彩の使い方とか主題の選び方は近いものがあるかも知れない。

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↑シュルレアリスム時代の「骸骨の天使」。彼女の前期の作品は背景が暗く沈んでいるものが多い。

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↑「鉱物の対話 」。中期に突然画風が変わり、この頃はその色彩や質感から「鉱物の時代」と呼ばれる。彼女は緑をよく使うが、確かにこの緑は植物のナチュラルな緑というよりも、冷たくてちょっと毒々しいベリルの緑だ(私も鉱物大好き)。
関係ないけど、私は緑という色は健康的なんでずっと嫌いだったが、それを覆したのがType O Negativeのアートワークだ。緑という色は、黒と合わせると突然毒々しく人工的な色彩になる。生涯ずっと緑と黒に取り憑かれているPeterは、私にこのことを気付かせてくれた。これは私にとってちょっとした転換点だった。私自身は、ダークカラーを背景に緑と紫を組み合わせた配色が大好きだ。この配色はすごく夢幻的な雰囲気がする。

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↑「真実のいたずら」。コルシカ島にアトリエを構えた頃から、色彩に変化が現れる。ダークな背景が多かったのが、一転して明るく淡い色彩に変わる。そして主題もエロティシズムを強く表現したものになるが、それは男性主導のエロティシズムに対する反発を感じさせ、女性としてのエロス、レズビアニズムも厭わないエロティシズムが窺われる。

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↑オペラ「タンホイザー」より“ヴィーナス”の衣装。彼女の布地の色の合わせ方は、めちゃめちゃ私の好みだ。彼女は当時の新素材も積極的に使った。
また、彼女は仮面もよく制作し、それを自ら身に着けて社交界に現れた(一番上の写真)。

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↑フィニのポートレート。ちょっとパティ・スミスに似ている。

フィニの作品は、主題や造形的に云々というよりも、その色彩感覚に強く惹かれるものがあった。濁りのない微妙な色彩を巧妙に組み合わせる手腕は特筆ものだ。この色の使い方は、やはりラファエル前派の色彩感覚に通じるものがある。時々、ミレイの「オフィーリア」や、ウォーターハウスの「ヒュラスとニンフ達」を思わせる色遣い(と構図)があった。この色遣いは、幻想的で淡々としたエロスを盛り上げる。
ここの所原色でパキッとした感じの作品を見ることが多かったけど、久し振りにこういう色彩もいいもんだなと、象徴主義にドップリはまった頃を懐かしんだ。

■フィニの作品はこちらでいくつかまとめて見られます。↓
http://www.leonor-fini.com/
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