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「スーパーサイズ・ミー」

2005年08月11日
今日から一週間の夏休み。まだおなかが不安定な時期で遠出も出来ないし、ダンナさんの仕事も忙しいので地元でウダウダする予定。
って事でツタヤに行ったら新作の所に「スーパーサイズ・ミー」のDVDがあったので借りてきた。これ、劇場公開時に見に行こうと思ってたけど逃してしまったのだ。
マイケル・ムーア監督などで最近ドキュメンタリー系の勢いがいいが(「ボウリング・フォー・コロンバイン」についての記事はこちら)、この映画もそういう体当たり系ドキュメンタリーだ。監督のモーガン・スパーロック自ら挑戦する、1ヶ月間マクドナルドのメニューのみを食べたらどうなるか、という命がけの実験記録なのであった。

きっかけは、ニューヨークに住む二人のティーンエイジャーの少女が「自分たちの肥満の原因はマクドナルドのハンバーガーのせい」としてマクドナルド社に対して訴訟を起こした、というニュースだった。マクドナルド側は自社の商品の栄養面と肥満の因果関係は全くないと主張。これを見たスパーロック監督は、彼女たちの言い分とマクドナルドの言い分のどちらが正しいのか自分で証明してみよう、と思いついた。(結局この裁判では原告の主張は棄却された)
実験のルールは、「30日間、3食すべてマクドナルドのメニューのみで生活すること」「すべてのメニューを必ず一度は食べる」「スーパーサイズ(特大)を勧められたら快諾する」「注文したものは残さず食べる」というもの。
モーガンが住んでいるのはニューヨーク。ニューヨーカーはとにかくよく歩くそうで、平気で一日6~8kmは歩く。しかし車を多用する平均的なアメリカ人の生活に合わせるため、一日5000歩以下に抑える。
かくして「自分自身を特大にする(Supersize me)」という前代未聞の実験が始まる。

この実験において、3人のドクターと栄養士、運動生理学の専門家の協力を得る。実験前に綿密な健康診断と体力測定をするが、モーガンの体は健康そのもの。体脂肪率・BMI値も理想的で、体力は同年代の平均以上と太鼓判を押される。
また、彼のガールフレンドのアレックスはベジタリアン・シェフ。この実験による体への影響を非常に心配する。

準備も整い、いよいよ実験開始。彼は元々ファストフードは嫌いではないので、意気揚々とエッグマフィンとソーセージビスケットの「マックバリューセット」でスタート。2日目にはスーパーサイズを勧められ、巨大なチーズバーガーとフライドポテトをパクつく。が、途中からもうギブアップで、遂に嘔吐してしまう。3日目には胃の不調を訴え、7日目には胸の圧迫感を感じる。
栄養士からはカロリー摂取過多を指摘される。成人男子の理想的な一日のエネルギー摂取量は2500kcalだが、モーガンは約5000kcalも摂っている。5日目にして体重は4kgちょっと増加。
2週目になると精神面に影響が出始める。気分が滅入り、食べるとまたすぐに食べたくなるという中毒症状の兆しが見えてくる。体重も7kg以上増加。
3週目になると激しい頭痛に悩まされる。しかし、食べるとすぐにハッピーな気分に。健康診断ではあらゆる数値が病的な状態を示し、とうとうドクターストップがかかる。命が危ないと言われるが、やめる訳にはいかない。何とか4週目も切り抜け、命からがらやっとゴール!最終日はマクドナルドでパーティー。

終了後、体重と脂肪は大幅に増え、肝臓もアルコール中毒患者のような肝硬変状態に。血圧もコレステロール値も異常に上昇。ドクター達も当初はこれほどまでにファストフードで体に悪影響が出るとは予想していなかったが、高脂肪食でもアル中患者と同じ状態になることが立証された。このままあの食生活を続けていたら、明らかにあの世行きだ。
また、実験後は急遽アレックスによる「ベジタリアン解毒メニュー」で食餌療法開始。結局、元の体重に戻るには半年以上もかかったそうだ。

モーガンは実験中にアメリカ各地を廻るが、全米で肥満率の高い都市のトップ5にいくつもランクインするテキサス州では、スーパーサイズを勧められる回数が多かった。これがもう半端じゃなくてデカい。ドリンクのスーパーサイズはなんと1.9リットルもある。まさに鯨飲馬食。この分量(半ガロン)で砂糖48杯分も含むドリンクもあるらしい。

また学校もいくつか廻るが、学校給食のメニューがジャンクフードだらけだったのには驚いた。カフェテリア形式だから、子供は好きなものしか取らない。ランチがフライドポテトとチョコバーとゲータレード、なんて子供がゴロゴロいた。これじゃまともな子供になんてなる訳がない。糖分過多と高脂肪の食事は精神面でも十分に不安定になる要素バッチリだ。この点、生徒全員が栄養士の作った同じメニューを食べる日本の学校給食の方が、画一的かも知れないけど遥かにマシだと思えた。
学校給食にはジャンクフード業者がしっかりと食い込んでいて、子供の健康よりも彼らの利益が優先されている。政治的にもロビイストがガッチリ圧力をかけるので、ジャンクフード業者に不利な法律は可決されない。また、ブッシュ政権の「落ちこぼれ防止プログラム」によって、栄養や健康に関する授業はことごとく減らされているのも子供の健康面には極めて悪影響だ。
中にはしっかり栄養面を考えたメニューを校内で作っている学校もあって、こうしたメニューに切り替えたとたん、みるみる生徒に好影響が見え始めたそうだ。また、校内の炭酸飲料の自販機を撤去する学校も徐々に増えているそうだ。

それから、実験中にアレックスがモーガンとの性生活についてコメントするシーンがあるが(あっけらかんと話す彼女に拍手)、実験を始めてから明らかにダメダメになっているらしい。

安くて簡単におなかがふくれるファストフードは、アメリカでは低所得者層の家庭ほど依存度が高い。マックのお客は週に何回も利用するヘビーユーザーが多いそうだ。実にアメリカの成人の60%以上が肥満であるらしいが、こういう家庭の子供は同じ道をたどることは容易に予想できる。テレビを付ければ朝から晩までジャンクフードの広告が氾濫し、子供はしっかりと脳に刷り込まれていく。監督はこうしたアメリカ社会の食生活に対して警告を発する。
この映画で描かれる問題は明日の日本にも十分起こりうる。郊外ショッピングセンターの加速度的な進出など、日本はアメリカの悪い面を喜んで追っている面がある。日本の場合はファストフードにプラスして、コンビニフードへの依存もあるだろう。

私は過去にアメリカには3回行ったことがあるが、ファストフードに限らず普通のレストランでもとにかく量が多いのに驚いた。現地の友人達は皆全部は食べず、いつも半分以上残していた。みんな残すのに、なぜこんなに多い量を出すのだろうと不思議だった。
私自身は普段はほとんどマクドナルドみたいな所は行かないのだが(お茶をする時にスタバやミスドに行くくらいで、「食事」は摂らない)、現在つわり中に付きあまりきちんとした食事を取る気がせず、冷凍食品やレトルトなんかに頼りがちである。また普段はドリンクもコーヒーか紅茶をノーシュガー(ミルクは入れる)で飲むのだが、カフェインに気を付けないといけないから外では甘いドリンクになってしまう。この前ミスドでジンジャエールを注文したのだが、「現在同じ金額で特大サイズになりますが、いかがですか?」と言われて思わず「お願いします」と言ってしまった。スーパーサイズだ!あの中には相当砂糖が入っているだろう。
この映画を見て、いろいろと考えてしまったのであった。

なお、サンダンス映画祭でこの映画が上映されると、マクドナルドは映画との関連性は否定したが、スーパーサイズの廃止を決定したそうである。


追記:
去年さるさる日記に書いた映画関係の記事をいくつかこっちにアップしました。「映画」のカテゴリでどうぞ。
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Comment
お父さんのお昼が心配だ。
ruinerさん:
お~、お久しぶり!元気?ruinerさんって今何年生だっけ?そろそろ進路とか決める頃?

この映画を見て、100円マックメニューでお昼をしのいでいる、かわいそうな日本のお父さん達の健康が心配になりました。マックもあのメニューにしたのが裏目に出て、業績悪いらしいけど。
アメリカ人でファストフードばかり食べる人が多いのは、日本よりも貧富の差が激しいからかな?特にNYは物価が高いから、ちょっとしたカフェでもすぐ10ドルくらい飛んで行くし。でも日本もどんどん「階級格差」が広がりつつある社会になってきてるし、この映画の問題はほんとに明日の我が身って感じですね。フリーターとかひとり暮らしの男の子なんかは、マックばっかじゃなくても吉野家とか500円以内で食べられる所に頻繁に行くだろうし。
オーガニック食材なんかはやっぱり高いし(普通の野菜の1.5倍はする)、「低所得者層」に転落した人達は効率的な流通システムの犠牲となるしかないのであった。食の安全は「勝ち組」しか享受出来ない、嫌な社会に日本もなってるんでしょうねぇ。「スローフード」は贅沢品なのであります。

あ、Joshの参加、教えてくれてありがとう。Peterはまだ死んでるみたい(笑)。

michikatさん:
わ~、やっぱりmichikatさんの行った学校のカフェテリアもジャンクフードでしたか。「ビーバス&バットヘッド」のカフェテリアでナチョスがよく出てくるけど、あれってあの学校だからなのかと思ってた(笑)。
アメリカって「マクロビオティック」(これは元は日本発だけど)とか「ローフード」とか異様に食に関する健康志向がある反面、こうしたジャンクフード漬けの人が多いのは、やっぱ社会的格差のせい?ヨガやってたりとかヘルシー志向なのは勝ち組だけ?

上で書いた「アメリカの現地の友人達」ってのはもちろんmichikatさん達やJeffや彼の友達とかの事だけど、ほんとにみんなたくさん残すのに、なんでお店はあんなに出すんでしょうか?少ないとデブが文句言うから?(^^;

「Future of Food」っていう映画、そのうち日本にも来るかな?最近ドキュメンタリーを見ることが多いなぁ。

「君の食べているものを言ってみたまえ。私は君が何者であるか言い当てよう」って言ったのは誰だっけ?バーナード・ショーだったっけかな?
ほんとにそのとおり
この映画、私も前に見ましたよ。面白いですよね。私もこちらの学校のカフェテリアでジャンク・フード出してるのを初めて見た時はびっくりしました。子供をターゲットにしたジャンク・フードの宣伝はすさまじいです。アメリカの小さい子供の偏食ぶりを見ていると私が子供だったころと比べ物にならないほど。

もうひとつ最近、食べ物に関する映画を見ましたけど(確か故・ジェリー・ガーシアの未亡人が作った)これもお勧めです。タイトルちょっと忘れました・・・Future of Foodだったかな。これはスロー・フードを勧める映画で、けっこう勉強になりますよ。お勧めです。
とりあえずスローフード促進用教材として
この映画は使えるなぁと思う自分がいました。

マックは食費があれなときはよく行きますが、
さすがにそこまでばかすか食べることは普通ないと思います。お国柄?

そういえば、roadrunnerの25周年記念アルバムにtonのkeybordが参加するそうです。
ではでは。

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