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A Beginner's Guide to Unwound

2014年06月06日
前回の記事で熱く熱くSurvival KnifeとUnwoundについて語ったが、今回はUnwound初心者ガイドのようなものを書いてみたいと思う。前々からUnwoundについて書きたいと思っていたが、日々の雑事に紛れたのと、きっかけがなくてなかなか手を着けなかった。しかしSurvival Knifeのデビューというちょうどいい機会に恵まれた。Unwoundの音楽は本当に素晴らしいし、現在のバンドにも大きな影響を与えているので、再評価されてもいいかと思う。というか、リイシューシリーズも出て、そういう機運は高まっているように思える。

さて、Unwoundのバイオグラフィー的なものは前回の記事を読んでいただくとして、最初に聴くならこれから!というおすすめアルバムを。

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Repetition (1996 Kill Rock Stars)

1996年リリースの5枚目のアルバム。このアルバムは、「Unwoundらしい」スタイルがよく出ているので最初の一枚に一番いいのではないだろうか。タイトで硬質なサウンドプロダクション、複雑なリズム、縦横無尽に炸裂するフィードバックノイズ、醒めているが訴えかけるものがあるヴォーカル、凛としたエモいメロディ、とUnwoundのトレードマークがこのアルバムでしっかりと固まった。
曲も粒揃いで、ファンの間でも人気の高い曲ばかりである。ポストハードコアの名盤として評価の高いアルバムである。
プロデューサーはずっとUnwoundを手掛けているSteve Fisk(Nirvana、Screaming Trees等90年代オルタナの代表的なプロデューサー)。
このアルバムが気に入れば、きっとUnwoundが好きになると思う。




Challenge_for_a_Civilized_Society.jpg

Challenge for a Civilized Society (1998 Kill Rock Stars)

1998年リリースの6枚目アルバム。プロデュースはこれまで同様Steve Fisk。前作でのスタイルをより進化させ、実験的で洗練された音になっている。極めてタイトな音で、”Laugh Track”や”NO TECH!"は完璧と言ってもいいかっこよさである。このアルバムが多少散漫な印象を受けるのは、前作「Repetition」のようなポストハードコアなサウンドと、次作(結果的にラストアルバム)の「Leaves Turn Inside You」のようなポストロックサウンドが混在しているからだろう。曲の完成度はどれも非常に高いし、文句なしにかっこいい。次作「Leaves…」で究極の境地に達するまでの予備段階とも言えるアルバムだ。気高いサウンドを存分に味わおう。
なお、"Sonata for Loudspeakers" でJustinがサックスを演奏しているのもちょっと珍しくて面白い。




leaves.jpg

Leaves Turn Inside You (2001 Kill Rock Stars)

2001年リリースの、2枚組のラストアルバム。彼らの最高傑作との呼び声が高い。プロデューサーは長年手掛けてきたSteve Fiskではなく、Phil Ekである。これはそれまでの確立されたUnwoundサウンドからの脱却を目指したためであり、その通り、サウンドはポストハードコアからポストロック的なアプローチに大きく変化している。
アルバム全体を包む、夢見るような陶酔感。桃源郷か、あるいは彼岸か、ここではないどこか彼方へと到達し、仄(ほの)暗く柔らかな空間に漂うような、そんなサウンドになっている。
この音は、そんじょそこらのバンドには出せるものではない。ハードコアを通過し、あらゆる経験を重ねた者だけが到達できる、究極の音だ。
Justinのヴォーカルは、これまでのパンクスタイルから虚脱したようなウイスパーヴォーカルになっており、ギターもジャリジャリした感触はなくなり、極度に洗練された、滑らかで胸の痛みを感じるような素晴らしいものになっている。
特筆すべきはSaraのドラムだ。彼女のプレイはこれまでもちょっと変わった癖のあるフレーズを叩き出していたが、こういう静寂感のあるサウンドでは、絶妙なリズムが空間を埋めていくのが際だつ。
Vernのベースは、"Terminus"でのプレイがもうとんでもなくかっこいい。3人のコンビネーションが理想的に溶け合い、奇跡のようなサウンドを生み出した。
この素晴らしいアルバムを残し、彼らは解散してしまった。確かにこんな作品を作ってしまったら、もうやり切ったような気持ちになるのかも知れない。
実は過去に、(私があんまりUnwoundを激賞したせいか知らないがw)何人かの人がUnwoundに興味を持ってくれたのだが、みんな一番手に入りやすいこのアルバムから入ってしまい、「あれ、なんか思ってたのと違う…」となってしまった(;´Д`) このアルバムは、「Unwound=ノイジーなポストハードコア」というイメージで聴きたい人にはおすすめしない。他のアルバムを聴いてから、これを手に取る方がスムーズにその進化に馴染めると思う。逆にポストロックファンの人だったら、これから入るのがいいかも知れない。
なお、CDバージョンには"Scarlette" と"Radio Gra" のエンハンストビデオ(風変わりなアニメーション)が入っている。



これら3枚をまず聴いてみて、気に入ったらもっと過去の作品も聴いてみてほしい。よりパンキッシュでノイジーな音が待っている。
また、「A Single History 1991-1997」というシングル集(とデモ)は、彼らのアグレッシブさと聴きやすさが非常にいいバランスになっているので、これもおすすめ。私の個人的な愛聴盤である。
それからMatador Europeから出た「Further Listening」というベスト盤もあるので、気軽にUnwoundを聴いてみたい場合はこれもどうぞ。



さて、2002年の解散後の事を書いてみよう。
各メンバーの新しいバンド活動については前回書いたので、 Unwound関連で。

Unwoundの現役時代のサイトはこの「Unwound - nervous energy」なのだが、近年になって、メンバー自身が手掛けている「Unwound Archive」というサイトが出来た。1991年から2002年までのUnwoundの全活動の記録と、最新ニュースが詰まっている、読み応えのあるサイトだ。完璧なディスコグラフィーがあるので、より深く聴きたい人にはお役立ち!

このサイトがきっかけとなって、バンドによる自主リリースの「Live Leaves」という、ラストツアーのライブ音源を集めたアルバムが2012年に出た(このアルバムについてのJustinによる文章はこちら)。

また、Unwoundは2013年にNumero Group(過去作品のリイシュー専門レーベル)とライセンス契約を結び、豪華なアナログボックスセットシリーズを2013年からリリース中。これが出たことによって、Unwoundの作品の価値を認められたということで、Justinは新たな活動にあたって勇気づけられたそうだ。
Numeroからリリースされたものは以下の通り。

Giant Henry / Big Baby
これはUnwoundの前身バンドGiant Henry名義のアルバムで、彼らがまだ高校生だった頃の音源。

Kid Is Gone
1st”Unwound"を含む、初期音源を集めた3枚組ボックスセット。レアな写真満載のブックレットも入った豪華版!

Rat Conspiracy
2ndアルバムの「Fake Train」と「 New Plastic Ideas」を含むレア音源を集めた3枚組ボックスセット。

これらはLPかダウンロード音源だけで、CD版はないので注意!まだ今後も出るらしい。

また、このリイシューシリーズのリリースに合わせたJustinとSaraのインタビューはこちら!Unwoundの再結成はないそうです・゚・(つД`)・゚・ でもそれが潔くて彼ららしい。

Unwoundのアルバムは、CDはもうあまり出回っていなくて、あってもかなり高くなっているものが多い。でもiTunesになら完璧にあるので、こちらもどうぞ↓
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Survival Knife / Loose Power (......from the ashes of Unwound !)

2014年06月05日
待ちに待ったSurvival Knifeのデビューフルレングスアルバム「Loose Power」が出た!このアルバムが出るのをどんなに首を長くして待ち焦がれていた事か。
といっても、Survival Knifeを語る前に、メンバーのJustin Trosper(Vo、G)とBrandt Sandenoが以前在籍していたUnwoundについて語らなければ始まらない。Survival Knifeは、2002年に突然解散してしまったUnwoundファンにとって、これ以上ない喜びなのである。

Unwoundは1991年にアメリカワシントン州オリンピアで結成された。メンバーはVo&GがJustin、ベースにVern Rumsey、そしてBrandtはドラムだった。1992年にBrandtは脱退してドラムはSara Lundに交代するが(以後解散までこのメンツ)、BrandtはUnwoundのラストツアーにキーボードで参加していたりと常に交流はあったようだ。
Unwoundは1990年代のアメリカ北西部を代表するインディーバンドだ。この記事にもあるが、ワシントンDCにFugazi、NYにSonic Youth、カリフォルニアにPavementがいたように、北西部にはUnwoundがいた。
Unwoundは設立して間もない、オレゴン州ポートランドのKill Rock Starsと契約を結び、解散までこのレーベルと強固な関係性を保ち続けた。KRSはBikini KillやSleater-Kinneyなどを擁し、90年代半ばの「Riot grrrl(ライオット・ガール)」ムーブメントの中心的な存在となっていったレーベルだ。(ちなみにライオット・ガール・ムーブメントとは、簡単に言うとフェミニズム的な主張を持つガールズ・パンク・バンドのムーブメントである。)
Unwoundはライオット・ガールのバンドではないが、ドラムは女性だし、パンクのDIY精神を強く持ち、男女平等主義を尊重したバンドである。

Unwoundの音楽性は「Sonic Youth meets Fugazi」などと形容された事も多かったが、元祖ポスト・ハードコア的な位置にいながら、ノイズロックの要素も多く持ち、複雑なリズム展開で「Prog-punk(プログレパンク)」「Math Rock(マスロック)」とも呼ばれた。
日本ではこの「Sonic Youth meets Fugazi」が仇となってSonic Youthフォロワー、Fugaziフォロワーの一つとして片付けられてしまい、知名度は高いとは言えないが、アメリカでは彼らに匹敵するほど熱狂的なファンが多かった。
ポストハードコアをベースにちょっとエモさのあるメロディ、不協和音を多用するギターノイズ、タイトでソリッドな変則リズムはアルバムを重ねる事に洗練の度合いを増していき、気高く凛としたサウンドは心を捉えて離さない。ノイズを美に昇華した、唯一無二の存在だった。
2001年のラストアルバム「Leaves Turn Inside You」では陶酔のノイズ空間をたゆたうポストロック的なサウンドになり、もうある一つの境地というか到達点に達し、この傑作を残して2002年4月1日(!)に突然解散してしまった。

私がUnwoundの存在を知ったのは、彼らが解散した頃だったと思う。Epitonicという音源ストリーミングサイト(このサイトは一度なくなったが数年前に復活。非常にセンスの良いセレクションで、私の音楽人生にかなりの影響を与えたのであります。)の「Math Rock」のジャンルに彼らの名前を見つけた。マスロックなんて言葉はそこで初めて知ったが、要するにShellac系の、パンク/ハードコアにルーツを持つ、複雑な展開をするバンドの総称らしい。
当時の私はインダストリアルに倦み、新しい音を探していた。ハードコア系のライブにも頻繁に行き始めていたが、Epitonicで試聴したマスロックバンドの音に強く惹かれ、中でもUnwoundの音は、ある意味私にとっての理想形を見たようだった。
解散した頃に知ったから、後追いでアルバムを聴き漁ったが、これぞ私の求めていた音!ストイックに激しく、秘めた情熱をノイズの海に解き放ち、何かを決意したように、崇高の美へと結晶化していくようなサウンド。もっと早く知りたかった!
なお、2002年に日本ツアーも決まっていたようなのだが、解散で中止になってしまったようである。その前には来日したことはある?(Wikiに日本にも来たことがあるような記述があるのだが、中止になったツアーの事を言っているのだろうか?)



↑地元オリンピアでのラストライブ。最近アップされているのを見付けたが、ちょっと涙出た(;´Д`) 素晴らしい最期である。

Unwound解散後は、Sara LundはAndrew Price(Irving Klaw Trio)と共にHungry Ghostを結成(来日もしている)。また、Sleater-KinneyのThe Corin Tucker Bandにも参加している。Vern RamseyはFlora v. Faunaを結成したようだが、あまり活発な活動はしていないようだ。
そして、Justin Trosperだが、長い間何をやっているのか全く分からなかった。が、突如2011年に新バンドを結成というニュースを聞き、狂喜した!しかもUnwoundのオリジナルメンバーのBrandt Sandenoと一緒に!
前置きがとてつもなく長くなったが、これが今回紹介するSurvival Knifeである。


JustinはUnwound解散後、しばらくの間自宅スタジオでオリンピアのローカルバンドのレコーディングを手掛けていたらしい。しかし、その後機材を売り払い、LAに移ってコミュニティ・カレッジ(公立の2年生大学で、誰でも学ぶことが出来る)で人類学と地理学を学んでいたらしい。Justinによると、高校時代からUnwound解散まで、人生のすべてが音楽で、何か音楽以外のことをしたかったそうだ。Unwound解散時、Justinは30歳。確かに30になって、音楽以外のことを全然知らないのはヤバいと思うのも分かる気がする。LAにいた間、音楽活動は一切しなかったそうだ。ライブはもちろん、ギターにも全然触れずホコリを被っていたらしい。
そしてまたオリンピアに戻り、Brandtと話しているうちにまた一緒に音楽をやろうという事になった。Brandtは既にオリンピアのローカルミュージシャンのKris Cunningham(ドラム)とMeg Cunningham(ベース。この二人は夫婦らしい)と活動していたので、ここにJustinが合流して、2011年にSurvival Knifeが誕生した。

リハーサルを重ねた後、まず2013年3月にSub Popから1stシングル"Traces of Me / Name That Tune" をリリース。続いて同年10月に古巣のKill Rock Starsから2ndシングル"Divine Mob"をリリース。そして待望のフルアルバム”Loose Power"を2014年4月にGlacial Pace(Modest MouseのIsaac Brockのレーベル)からリリース!







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Survival Knife / Loose Power (2014 Glacial Pace) 

さて、待ちに待った1stアルバム。このアルバムを聴く前に、上記の2枚のシングルを聴いて、その音にびっくりした。あまりにもストレートなパンクロック!Unwoundのラストアルバム"Leaves Turn Inside You"での陶酔ポストロックから、この原点回帰!2ndシングルの"Divine Mob"はこのアルバムの1曲目にも入っているが、パンクの初期衝動が戻ってきたような激しいロックチューン!こう来るとは思ってはいなかったので、かなり意表をつかれたUnwoundファンも多いだろう。
とにかくスーパータイトな音である。かっこいいギターリフを次々に繰り出し、所々Unwoundの香りも残しつつ、激しく突っ走る!UnwoundのギターはJustin一人だったが、今度はJustinとBrandtのツインギターになり(最初ドラムで、キーボードもやるし、マルチプレイヤーだなぁ)、ソリッドでダイナミックなサウンドになっている。
実験的な側面もあったUnwoundに比べて、Survival Knifeのサウンドはかなりキャッチーだし分かりやすい。Unwoundサウンドの要の一つであったフィードバックノイズも抑え、輪郭のくっきりとした音になっている。
しかし、ただ分かりやすくキャッチーになった訳ではない。注意深く聴いていると、職人的なソングライティングを感じさせる、しっかりと構築された曲展開、練りに練られたギターリフ、心憎い凝ったリズムであることに気付く。
Justinはこのインタビューでこう語っている。

「ちょっと年を取って若いミュージックシーンから離れてみると、ただの社会事業のように見えるバンドがたくさんいるのに気付いた。彼らには目指す『サウンド』があるけど、ソングライティングのバックボーンも、超クールなリフもあんまりない。僕はギターの革新のためにメタルを聴いている。90年代にはそんなことはなかったと思うけど、インディーシーンからは面白い演奏が奪われてしまったように思える。エレクトロニック系の音楽の人気と宅録は良くも悪くもあらゆる事を変えてしまった。そういうシーンにはものすごくたくさんの革新的なことがあって、インディーシーンにも引き継がれたけど、山ほどの素人芸のクズをもたらした。公平を期するために言うけど、僕自身、自分が怠惰だったのとあまりにも情報が多すぎたせいで、そういうものに触れてこなかったんだ。(略)
僕たちがやろうとしているのは、ポストパンクバンドとしてでもメタルバンドとしてでもなく、面白いギター中心の音楽を前面に持ってくることなんだ。」
「世間は僕がもっと『アートな』ことをやるのを期待したかも知れない。少なくとも今の時点では、Survival Knifeは完全なロックバンドなんだ。」

90年代のインディシーンを駆け抜けた実績と経験を踏まえ、今、自分たちはシーンに足りない、どんなものを提供できるのか。その答えがこのアルバムだ。
経験豊かなミュージシャンが行きがちなアート系にはあえて行かず、上質なロックンロールに徹する。フレッシュで潔い、誠実な選択だ。かっこいいギターリフのロックに、ちょうど飢えていたんだよ!



↑現在Modest Mouseと絶賛ツアー中!これは2014年5月9日のサンフランシスコでのライブ。SaraのHungry Ghostも一緒に廻っているようでほっこりw

Author & Punisher

2013年09月24日
今、非常に気になっているのが、先日書いたTheologianと、もう一つがAuthor & Punisherというバンド(というかTristan Shoneの一人ユニット)だ。

Author & Punisherの存在は、Revolver Magazine編集長のBrandon Geist氏がTwitterでおすすめしてたので知った。Brandonさんは元インダストリアルヲタで(だからRevolverはメタル誌のわりにはインダストリアル系を採り上げることが多い)、Type Oのメンバーとも親しいようなので(多分ブルックリン在住?)彼のセンスは信頼できる。彼によればA & Pは新作を先日出したばかりで、Godfleshの流れを継承するインダストリアル・ドゥームで超クール!ということで、この夏Phil Anselmoのツアーのサポートに起用されたらしい。

早速リンクしてあったAuthor & PunisherのBandcampで聴いてみると、超ヘヴィなマシンサウンドで非常に気に入った。
で、いろいろネットで調べていたのだが、オフィシャルサイトにあった「Sound Machines」というページにたくさん載っていた、自作の謎の機械類!金属のメカメカしい物体が非常に気になる!なんじゃこりゃ?!と思っていた所で、↓この動画を発見!



例の「Sound Machines」を実際に演奏している所が映っていたのだが、これがもうすごい。彼の周りをこの巨大な金属の物体が取り囲み、ガッシャンガッシャンやるとドスの利いた音が出る。無意味にやたらデカいのがなんだか訳分からなくてすごいw これを全部自分で作っているんだから、この頭おかしいほとんど変態な所にもうゾッコン!
ということで徹底的にリサーチ。

Author & PunisherことTristan Shoneは、動画で見た所、30そこそこくらいか?サンディエゴ在住で、デイ・ジョブは何百万ドルもするような顕微鏡の研究開発をやっているエンジニアらしい。
また、カリフォルニア大学サンディエゴ校でデザインやサウンド、エレクトロニクス、彫刻などのワークショップや授業を持っているらしい。
FacebookページではおすすめアーティストのトップにGodfleshを持ってきていて、かわいいヤツだw他にSunnO)))とかMelvinsとかCannibal Corpseとかのヘヴィ系とともに、ダブステップ系に影響を受けてるらしい。
Bandcampにある作品を見ると、2005年前後から活動してるようだ。初期の音源はやはりドゥームメタル色が強いが、次第にマシンサウンド中心になっていっている。
こりゃもう買うしかないでしょ、と最近のアルバム2枚購入!

Ursus Americanus

Author & Punisher / Ursus Americanus (2012 Seventh Rule)

2012年リリースのサードアルバム。1曲目の超重量級の"Terrorbird"でもうハート鷲づかみ!重戦車のようなマシンサウンドで圧倒される。1stの頃はまだギターを使う曲が多かったが、このアルバムでは歪みに歪んだエレクトロニクスサウンドが中心。
Author & Punisherは確かに「インダストリアル・メタル」と形容するのが適切なのだろうが、2000年頃までのいわゆるNu-Metal系のインダストリアル・メタルとは明らかに違う。Fear FactoryやStatic-Xなどのインダストリアル・メタルはエレクトロニクスを多用し、サイバーなイメージを好んでいたが、やはり根っこは熱いメタルだ。リズムも躍動感があるし、いかにもライブで盛り上がり、熱い汗を流せる。
しかしA & Pはそうした熱いものとは無縁で、根本的に醒めている。重く重く、時に沈み込んでいくようなサウンドは、間違いなくGodfleshの継承者である。かつてのインダストリアル・メタルはGodfleshの手法は受け継いだが(ドラムマシン+ヘヴィギターetc.)、Godfleshのニヒリズムや乾いた精神性はほとんど持ち合わせなかった。
しかしドゥームメタルからインダストリアルに接近したA & Pは、やっとGodfleshの遺伝子を開花させたバンドという思いで、私は感無量なのである。
内に溜め込んだ怒りを吐き出し、無慈悲に踏みつぶすようなノイズに満ちたこのアルバムは、インダストリアルの新たな流れとして注目すべきである。

なお、ライブ動画を見た所、ジャケットのTristanの口元にある四角い物体を通すとヴォーカルにディストーションがかかり、右手で握っているハンドルのようなものを押したり引いたりするとバスドラのような音が出るみたいである。



Women and Children

Author & Punisher / Women & Children (2013 Seventh Rule)

さて、こちらはこの夏に出たばかりの最新4thアルバム。前作は怒りに満ちた攻撃的な要素が多かったが、今作はより内省的になり、不安や恐怖といった要素が増えたように思える。
シンプルなジャケットも、記憶の底に眠る、なにか訳の分からない恐怖をかき立てる。
サウンドはよりエクスペリメンタルな方向に向き、新時代のノイズ・ミュージックといった趣だ。相変わらずとんでもなく重いのだが、より繊細なニュアンスも表現されるようになっている。
前作よりも複雑さを増し、前作が問答無用の重戦車なら、今作は精巧緻密に出来た、芸術的な拷問機械のようだ。

このアルバムのプロモーションツアーとして元PanteraのPhil Anselmoのサポートに起用され、先月無事全日程終えたようだ。私も今回のアルバム発売で彼の存在を知った訳だし、これからどんどん存在感を増していって欲しい。

なおこのアルバムは↓のRevolver Magazineのサイトで独占フルストリーミングで聴ける。

Exclusive: Author & Punisher Premiere New Album, Women & Children




ちなみに、「Author & Punisher」というバンド名は、聖書に出てくる「Author & Finisher」という語句をもじったものらしい。
「ヘブライ人への手紙」12章2節にある、
「looking unto Jesus, the author and finisher of our faith(信仰の創始者、また完成者であるイエスを見つめながら)」
という箇所らしい。「信仰の創始者で懲罰者」になってるw

Theoligian / "The Chasms of My Heart”

2013年08月05日
Theologian/Chasms of My Heart
さて、ブログのデザインも変えたことだし、久々にアルバム紹介でもやってみようか。
結構ポツポツとは買っているのだが、感想はTwitterの方でやっちゃって、ブログにはちっともアップしなくなって早数年(;´Д`)
でもやっぱりTwitterの情報はあっという間に流れて行ってしまうし、アルバム紹介みたいな内容はちゃんとサーチエンジンで引っかかって残るような形の方がいいので、今後は出来る限りブログの方でやりたいと思う。・・・多分・・・w

ということで、今回紹介したいのは、ここ数ヶ月、私がめちゃめちゃはまっているTheologianというアーティストだ(「Theologian Prime」という名義の時もあるようだ)。Lee M. Bartow(a.k.a. Leech)という人がやっている、NYベースのプロジェクトだが、Facebookの基本情報を見ると他にもメンバーがいるようだ。ライブ写真ではライブドラムも使っているようだった。
Leeは'90年代からNavicon Tourture Technologiesというインダストリアルノイズのユニットをやっていて、Ant-Zenからもリリースしていたようだ。試聴してみた限りでは、エクストリームなガリガリ来るインダストリアルをやっていた。耳から血が出そうなw Power Electronics寄りのかなり実験的な音だったようだ。
このNTTの活動を2009年頃休止して、Theologianとして再始動したようだ。

また、LeeはANNIHILVS POWER ELECTRONIXという自主レーベルをやっていて、Soundcloudでいろいろ聴くことが出来るので是非どうぞ。

私がTheologianを知ったのは、何かかっこいい音はないかとBrooklyn VeganのSoundcloudを漁っていた時だった。ここでTheologianのジャケ写真に何か第六感に来るものがあって、聴いてみたら大当たり!
で、Crucial Blastから2012年に出した「The Chasms of My Heart」を買ってみた。

このCDは上の写真のような正方形ではなくて(私のはスペシャルエディションだったのかも)、DVDみたいな長方形でCDラックでの収まりが超悪いw
Leeはグラフィック・デザイナーとしても活動しているようだが、この人の過去のものを見るとどれも女性器をモチーフにしたようなグロいのばっか(;´Д`) 当然このアルバムにもそういうデザインが。

NTTの時はガリガリゴリゴリいうサウンドだったが、Theologianではもっとドローン寄りに。実は、私はリズム命の人間なので、ドローンは正直あんまり好きではない。しかし、Theologianのサウンドは非常に凝ったテクスチャーを重ねたもので、どこか凛としていて端正だ。「Theologian(神学者)」という名前からイメージされるような、詠唱のようなヴォーカルが被さり、精神的に深みを増したように思える。
空間を感じさせる、スケール感のある音で、確かに「death industrial」と言うだけあって真っ黒だw
とにかく一音一音が作り込んであって、ミステリアスで深遠なノイズの奔流に身を任せるのが心地良い。

この"The Chasms Of My Heart"はBandcampで全曲試聴出来るのでどうぞ。

Leeの個人サイト(?)のDJセットリストなんかを見てみると、かなりJustin Broadrick様の作品をかけているので、私の好みにピタッとはまった理由が分かった気がした。
LeeはNYでノイズ系のイベントをよくオーガナイズしているらしい。そっち系の情報は、このブログでどうぞ。
この人、あっちこっちにサイトがあって全体像を把握するのが大変(;´Д`)

という訳で、Theologian=Lee M. Bartowは、停滞したインダストリアルシーンの未来を担う一人だと個人的に思うのであった。

Theologianの記事はBrooklyn Veganによく載っていて、この記事の中ほどにライブ写真があります。BVのサイト内検索でTheologianをサーチすると結構ヒットするよん。






Dave Gahan & Jesu新譜

2007年11月24日
結構前に買ったんだけど、やっとブログに感想書けるぞ。ってことでDepeche ModeのDave GahanとJesuの新譜を、近所のイオンSCにあるタワーで購入。Cultは輸入盤しかなかったのでとりあえず買うのはやめといた。Daveはともかく、Jesuがこんな所にあるのにある意味感動。この店で1歳の幼児連れてこんなん買うヤツはきっと私だけだろう(笑)。

まずはDaveの「Hourglass」。前作のソロ第1弾を出した時、私はサンフランシスコまでライブを見に行ったのであった(ってか、彼だけじゃなくてType O NegativeやLollapaloozaも見に行ったんだけどね)。そりゃぁもう、ほんとに素晴らしいライブで、彼はまさに真のエンターテイナーだと確信したのであった。一番印象に残ってるのは彼のプリケツ(笑)。自信あるらしくしょっちゅう後ろ向いてプリプリしてた。
Depeche Modeの曲はずっと全部Martinが書いていた。歌詞もDaveではなくMartinによるものだったが、ソロでDaveは初めて自作曲を発表。これがなかなかいい出来で、DMの現在での最新作では自作曲を入れることを主張したようで、確か3曲くらい入ってたと思う。このアルバム内での私のお気に入り曲はDaveのペンによるものが多かったし、ソングライティングの才能も認められたようだ。
で、ソロ第2弾の本作では作曲にすっかり自信を付けたようで、前作よりも凝ったアレンジとか音処理が施されている。前作が比較的肉感的っていうか生っぽいロックサウンドであったのに対し、本作はもっとずっとエレクトロニクスサウンドで、DMサウンドに近くなっている。曲の印象も前作はもっとサラッとした感じだったけど、今作はネバーッとした感触が強まってるような(笑)。私はDMのドッロドロした所が大好きなので、ネバネバ大歓迎だ。
Daveは私のベスト・ヴォーカリストのうちの3本の指に入るほどなのだが、アルバムを聴いていると、ずっとこの声を聴いていたいと思わせる声の持ち主だ。感情表現、呼吸の使い方とすべてが魂に訴えかけてくるこの声は、もう円熟の域に達しているだろう。前作よりも今作の方が好きかな。おすすめ。
願わくば、次のDMのアルバムで「誰の曲を何曲入れるか」とかでケンカしないでほしい(笑)。

さて、次はJesuのミニアルバム「Lifeline」。日本盤はボーナストラック付き。Godfleshの頃は本当の意味で殺伐とした「インダストリアルサウンド」(Justinは確か工業都市バーミンガム出身だったよな)だったが、Jesuとして作品を重ねていくうちに、あの頃からは考えられないような、「オーガニック」と言ってもいいような方向へ向いている。特に3曲目の「Storm Comin' On」は元SwansのJarboeがゲストヴォーカルを取っているのだが、彼女の「ドルイドの魔女」的な異教イメージも相まって、「大地母神」、"Mother Earth"なんて言葉が頭に浮かんでくる。「自然との一体化」なんてイメージが浮かぶほど、過去のJustinのイメージをいい意味で裏切る佳曲だ。この曲がやっぱこのアルバムの中の白眉と言えるだろう。
Godfleshのサウンドは、Jarboeがかつて在籍していたSwansの影響なしに考えられないが、やはりJustinもMicheal Giraの道を歩んでいるように思う。そういえば、本作でもドラムを叩いている、Godflesh時代からの盟友Ted ParsonsもSwansに参加していたことがあったし、Swansとの因縁は必然的なものなのかも知れない。

そういえばGiraさんはどうしてるかと久々にYoung God Recordsのサイトを見てみたら、今をときめくDevendra Banhartってここからアルバム出してたのか。なんか「アシッドフォークの王子様」とか「デヴェ様」とか言われてるらしいが(註:TVブロス情報)、う~ん、さもありなん。Angels of Lightも言ってみればアシッドフォークだもんな。アシッドフォークは今アメリカで一番イケてるジャンルだそうだが(再註:ブロス情報)、だったらGiraさんもイケてるチョイ不良(ワル)オヤジなのか(←意味不明)。とにかくデヴェ様が売れてGiraさんが潤うのはいいことだ♪

・・・となんか話がまた脱線したが、今度の火曜の27日、私はJesuが出るExtreme The Dojoに行ってくるのだ!ダンナさんが半休を取ってくれるそうで、娘は見てもらっちゃうのだ!あ~、久し振りの来日バンドのライブだな~。妊娠7ヶ月で行ったMotley Crue以来か(笑)。遂に生のJustin様が拝めるのだ!

Jesu

2006年07月28日
やっとこの前買ったJesuと31 Knotsのアルバムを聴いたので、感想を。どっちも素晴らしい内容で満足♪

・Jesu 「Silver」
元GodfleshのJustin Broadrick様の現在のメインユニットの最新作。フルアルバムじゃなくてEP。Justinも言っているように、JesuはGodfleshの精神を受け継ぐ後継ユニットという位置付けで、Godfleshがあのまま続いていたらこうなったんではないかと思うような存在だ。Justinの他には、ドラムに元Swans~Prongで末期Godfleshにも参加していたTed Parsons、ベースはJustinの別プロジェクトのFinalやCable Regimeに参加していて、Godfleshのツアーにも参加していたDiarmuid Daltonがメンバーである。
で、今作は前作の「Jesu」よりも輪郭がくっきりして、Justinのやりたいことがよりはっきりとした内容だと思う。初期Godfleshからこれに至るまでのサウンドの変化は、元Swans(現Angels of Light)のMicheal Giraの道筋を思い起こさせるようなものだ。要は昔はガキゴキに殺気に満ちた極北サウンドだったのが、単純に言えば「マイルド」になったっていうようなものだが、数多くの音楽経験を通して到達した境地は深く滋味溢れるものである。
このアルバムでのサウンドスタイルは、例えて言うならヘヴィギターとヴォーカルの入っているAutechreという感じの、ひんやりしたエレクトロニカに近い。でもこの音を聴いて受ける印象は、やっぱりロック寄りっていうか、もっとオーガニックな感じ。サウンドスタイルは全然違うけど、ある意味Type O Negativeにも通じるものを感じた。繊細で深遠な感情とでも言うか。
今作でのJustinのヴォーカルは、Godflesh時代みたいな吐き捨て型とは全く違って、普通にメロディを歌うスタイルになっている。Godflesh時代でも時々こういう歌い方をすることもあったけど、今作では全編こういう感じで、以前よりも表現力も増していると思う。
確かにGodfleshのような明らかな攻撃性は見えないが、コアな部分では昔から変わらない。っていうか、様々に表現手法を変えて進化しつつも、根本的な所では変わっていないっていうJustinは、ミュージシャンとして本当に尊敬に値する。一つのスタイルをずっと貫くっていうのも当然アリだけど、常に新しい表現を追求し続ける姿勢はやっぱり素晴らしい。

う~ん、やっぱJustinかっこいいな~。なんつーか、音楽的に抱かれたい(笑)。Type OのPeterについては音楽以外の諸々にもすごく興味があるけど、Justinのパーソナルなことは全然知らないし、あんまり興味もない。あくまでも音楽的なものにしか興味がない。なんでだろう。って言ってもPeterの音楽性は当然とことん好きなんだけど、やっぱPeterはあの特異なパーソナリティーあっての音楽だからかな。

・31 Knots 「Talk Like Blood」
オレゴン州出身の3ピースバンド。この前買ったEP「The Curse of the Longest Day」に比べると、もっと多彩な感じになっている。音は乱暴に言えばSunny Day Real Estate + Slint + Gang of Fourっていうような感じか。つまり、ちょっとエモ寄りのポストロックっていうような(関係ないけど、この「エモ」というジャンル分けが個人的に微妙。SDREみたいなバンドは好みな感じなんだけど、いわゆるエモっていうと思い浮かべるようなGet Up Kidsみたいなのは全然ダメ。感傷的になりすぎて、青春パンクみたいになるのはNG。もっと素っ気ないのが好き。)。
でも、それだけじゃない何かが、もっとドロッとした何かがこのバンドにはある。それをどう表現したらいいか頭の中の引き出しを探ってみたら、そうそう、Cureだ!このバンドはSunny Day Real Estate + Slint + Gang of Four + Cureだ!このドロッとした部分がこのバンドの個性を際立たせていて、癖になる感じ。リズムもレゲエみたいなのもやっちゃったり、変拍子もあったりでバラエティーに富んでいる。曲のクオリティも高くて、久々に発見した逸材だ。

ところで、31 Knotsが以前いた54 40 or Fight!っていうレーベル、前に中古で見付けてすごく気に入ったCeasuraっていうバンドもここだったのに気付いて、なんだか注目しちゃうぞ。レーベル買い出来そうな感じ。

最近買ったCD

2006年07月18日
仕事のゴタゴタはなんとかケリが付いて、金銭的には相当なダメージを受けたが精神的には一応スッキリ。
んで、激忙しくて書けなかったのだが、この間近所のショッピングセンターにあるタワーで何枚かCDを購入していた。その感想をやっとこさ書こうと思う。前に「買おうと思う」って書いてたアルバムが大半ね。

Stadium Arcadium / Red Hot Chili Peppers
雑誌のレビューで「初期のブリブリファンクビートが復活」とか書いてあったんですごく期待して買ってみたけど、それほどブリブリでもないような。やっぱりわりと最近の傾向であるメロウな感じの曲が多いような印象。う~ん、私はビヨンビヨン跳ねるビートが聴きたかった。「Mother's Milk」に入ってる"Johnny, Kick A Hole In The Sky"みたいなやつ。やっぱりもう大人になったからあんなに跳ねられないのか。2枚組なので聴くのに時間がかかってダルい。全面ハイパービートでぶっ飛ばすんなら全然オッケーなんだけど。ってことでちょっと期待外れ。

「Garden Ruin」 / Calexico
これもね~、出来はいいけどちょっと期待してた音と違った。私は彼らの(ベタな言い方をすれば)「哀愁のラテンサウンド」風味がとても新鮮で好きなのだが、このアルバムではそういう面がもっと洗練されちゃってて残念。まぁああいうマリアッチサウンドが嫌だ、という人には遥かに聴きやすくなってるし、カフェとかでかかってそうなおしゃれサウンドに聞こえなくもない。でも私はあの乾いた熱砂の絶望感が聴きたかったのだ。もっと前のアルバムにさかのぼろうっと。

「The Curse of the Longest Day」 / 31 Knots
この31 Knotsというバンドは前からかなり気になっていて、ほんとはフルアルバムの「Talk Like Blood」が欲しかったのだが、近所のタワーじゃこっちのミニアルバムしか売ってなかったので仕方なく。相変わらずパソコンから音が出なくてネットで試聴できないので、ミニアルバムなら安いし外れてもOKってことで。ところがところが、これが大当たりだったのだ。すんごいかっこいい。まさに今の私の好みにぴったりの音だ。彼らはオレゴン州出身のポストコア/ポストロック系の3ピースバンドなのだが、心憎い変拍子と色気のあるヴォーカル、いい感じに歪んだギターが非常にそそる。例えて言うなら、ちょっとArcwelderを思い浮かべたのだが、このバンド自体がマイナーだから分からないか(笑)。Unwoundみたいなストイックさとはちょっと違った、かすかに妖しさを感じるサウンドがとても良い。amazonで「Talk...」を買おう!

「Rio Grande Blood」 / Ministry
Ministryの出たばっかの新作である。彼らの前のアルバムは買ってなくて、久々である。っていうか、インダストリアル系のアルバムを買ったのが超久々である。Cleopatraとかからダラダラ垂れ流されるうんこインダストリアルバンド(笑)に食傷し(この前久し振りにCleoのサイト行ってみたら相変わらずなリリースだった)、もうすっかりこのシーンから遠ざかっていたが、やっぱりいわゆる「インダストリアル」の創始者(TGは置いといて)なので無視は出来ない。
んで、冒頭にブッシュの演説かなんかをサンプリングしたのが出てきたが、こういうサンプリングを挟み込む音作りというスタイルがまたまた久し振りだったので何だか異様に懐かしくなった(笑)。そんでもって肝心の音だが、やたらメタルしている。ブラストビートでズドドドドだ。Slayerかと思った。個人的に今はメタルが再評価のマイブームなので(話すと長くなるが、パンクスのダンナさんがツタヤで安く売ってる怪しいメタルコンピDVDを買ってきて、メタルの「ダサかっこよさ」を再発見。「ヘビメタさん」に通じる感覚だ。「パンクさん」じゃフツーにかっこよくなってダメだ。暇があったらこれについて書こうと思う、元メタル少女の私であった。)、この方向性はかえってOKかも。今さら電子音+サンプリングでやられてもきつい。んで、まぁMinistryだけあって冷めた感覚なんで暑苦しいメタルにならないしよろしいかと。久々にヘッドバンギングしたくなったぞ(笑)。作曲にはTommy Victorも全面的に参加している。
ただ、難はジャケットだな。彼らの「Filth Pig」は史上最悪ジャケの一つだと思っているのだが、なんかジャケセンス悪いよなぁ。邪悪なジーザスに扮したブッシュってなぁ。いかにもだよなぁ。

「Playing the Angel」 / Depeche Mode
DMの新作である。私はかなり前に彼らの新作が出ると聞いて、「早く出ないかなぁ」と楽しみに待っていたのだが、去年の10月にとっくに出ていたと最近知って結構ショック(^^; あれ、おかしいな、アメリカにDave Gahanのソロライブ見に行っちゃうほどファンなんだけどな(笑)。
で、そんな私が気付かなかったほど話題になってなかった、ってことは出来が悪いのか、と心配したのだが、結果的に言うとかなりいい内容であった。つーか、久々に往年のサウンドが戻ってきたような印象だ。あのエロいメロディーラインとコード進行が復活だ!DMはAlan脱退後、その穴をどうやって埋めようかと模索していたと思うが、「Ultra」や「Exciter」は確かにDMのサウンドなんだけどなんだか物足りないような感じのアルバムだった。なんていうか、まるでデカフェコーヒーのような。しかし今作ではその辺も克服して、3人でのサウンド作りのキモを収得したような印象だ。やっぱりカフェインの魔力がなくちゃ。カフェインこそが重厚で複雑な旨味を醸し出すのだ。
今作での最大の変化は、Daveの作った曲が3曲も収録されていることだ("Suffer Well"、"I Want It All"、"Nothing's Impossible")。ソロで作曲に自信を付けたのだろう。実際、私がいいなと思った曲はDaveの曲が多かったので、Martinの作る曲に比べても遜色は全くない。それから、Martin作曲の"Precious"は"Enjoy the Silence"を思わせるような曲調である。
久し振りに聴き終わってからまた何度も聴きたいと思った彼らのアルバムなので、やっぱり来日公演が見たいよな~。さっき書いたDaveのソロライブ(in サンフランシスコ)は本当に素晴らしい、まさにプロのエンターテイナーのものだったので、フルのDMだったらどんなにすごいかと。DMがフジロック来たら、(嫌いなフジだけど)わざわざ苗場まで行くぞ。

ちなみにJesuの「Silver」は輸入盤しかなかったので、amazonで国内盤を買おうと思うのであった。

タワーで買い物

2005年08月14日
ダンナさんがCDを買いに行くというので、私もくっついて近所のタワーレコードまで行った。やっぱレコード屋に行ったら自分も何か買いたくなるのであった。最近どうもハートをググッとつかむバンドに出会えないので、ちょっとチャレンジャーになってみる。買ったのは、

・Q and Not U / Power
棚をダーッと見ていて目に入った、このQ and Not Uというバンド。なんか名前に見覚えがあったのだが、ネットラジオで聴いたのかな?レーベルを見るとDiscord(もちろんFugaziのとこ)なので、そんなに外れはないかなと思って買ってみた。音はポストコアと言うにはかなりポップだけど、相当ひねりのある変種ポップって感じか。まぁわりと好きなタイプかな。このアルバムは2004年に出た最新作のようだが、amazonのカスタマーレビューを読んでみると前のアルバムの方が評判がいいみたい。気が向いたら買ってみようかと思う。

・The Residents / Petting Zoo
The Residentsというバンドはあの目玉オヤジみたいなルックス(?)もあって前からずっと気になっていたのだが、レコードガイド本を見ても、「現代アート」的な側面もあったりで、結局どんな音なのかというのもいまいちよく分からない。中古で見付けたら買ってみようかと思っていたが、中古屋には新品しかなかったので失敗したら怖いし(いい年して情けないが ^^;)、何しろ膨大な数のリリースがあるので何を買ったらいいのか全く分からず。
と思っていた所でこのアルバムを発見。ボンバ・レコードという所から出ている国内盤で、なんと950円というナイスプライス!彼らの30年に渡る歴史を20曲にまとめたという、まさに初心者に打ってつけのアルバムで、難解そうなイメージを持たれがちな彼らの「Ear Friendry」な曲ばかり集めたというので購入決定。
で、聴いてみたけどやっぱりよく分からないっていうか(笑)、ウニョウニョゴニョゴニョいってるような変な音楽だ。まぁ「実験的」っていうイメージからすると聴きやすい曲を選んでいるとは思うが、彼らは「マルチメディア・アーティスト」なので、DVDとかを見た方がもっとよく理解出来るんじゃないだろうか。ちなみに、「ミュージック・ビデオ」という形式を発明したのは彼らだそうだ。

・Wire / On the Box:1979
これ、実は間違えて買ってしまった。ほんとは2003年のツアーを収録した「Scottish Play」の方を買いたかったのだが、ジャケが似てるんで間違えてしまった。Wireは去年の2月に大阪まで見に行ったライブ(こちらの記事参照)があまりに素晴らしく、同ツアーなので是非DVDで見たかったのだ。
んで、間違えて買っちゃったこのDVDは、1979年の若い頃のライブを収録したもの。サウンドだけ入ったCDも同梱。ドイツの「Rockpalast」という番組出演時のもので、観客のいるスタジオでのライブ。時期的には2ndと3rdの間の頃で、サウンド的には深化が加速している最良の時期だ。メンバーは去年見た時と同じで、そっくりそのまま若くなっているが、淡々と抑制の利いた、なおかつエッジーで知的な演奏はあの頃だったら相当新鮮だっただろう。文句なくかっこいい。
でも個人的には、すでにメンバー皆50を越えたというのに、信じられないほどスピード感とパワーに溢れた去年のライブの方が圧倒的に衝撃的だったので、やっぱ「Scottish Play」を買いたいと思う。あのノイズの塊みたいな怒濤の演奏はとにかくものすごかった。メンバーのルックスも、1979年よりもさらに学者風になってるのでいい感じだ。

ちなみに、ダンナさんが買ったのはWireの1stの「Pink Flag」。これ、私達二人とも持ってなかったのだが、タワーの名盤セレクションで安く売ってたのだ。またライブ見たいなぁ。

最近買ったCD(その2)

2005年07月09日
さて、その1に続いて最近買ったCDの感想を。

・The Faint / Wet from Birth
前作「Danse Macabre」が結構気に入っていた、The Faintの最新作。前作を買った時点ではまだ今みたいな「ポストパンク・リバイバル」なんていうムーブメントは全く言われてなかったので、彼らがそういった最新流行のトレンドにカテゴライズされるなんて夢にも思わなかった。この時代錯誤も甚だしい(と当時は思っていた)80's丸出しのプチダサいキーボードと、パンキッシュなサウンドの合体は、その後似たようなバンドがたくさん出てくるスタイルなのであった。しかし去年のサマソニに出演して(私は別の日に行ったので見られず)、そのライブパフォーマンスでかなり知名度が上がったようだ。
彼らの良さはそういうベタなキーボードもあるけど、曲が結構きちんと練られていてクオリティが高いことだ。キャッチーなのでとても聴きやすいし。で、この最新作も前作の流れを引き継いでいるが、でもやっぱ前作の方が良かったかな~?まぁもっと聴き込めば印象も変わるかも。

・Meat Puppets / No Strings Attached
Sonic Youthなどと共に、80年代からずっと第一線でUSアンダーグラウンドシーンを支え続けてきたMeat Puppetsの初期ベスト。私は彼らがとても好きなので、持ってないアルバムを見付けるとこまめに買い足している。もちろんパンクを基本にはしているが、カントリーやブルース、ブルーグラス、ヒルビリーなど豊富なバックボーンがキラキラときらめく味付けをしているのが彼らの最大の魅力。いい意味で脱力していて、聴いているととてもハッピーな気分になれる。そしてただ者ではないフレーズを次々と紡ぎ出すギタープレイがまたVery Good。こういう豊かなバンドを生み出せる所が、アメリカという国の懐の深さだ。

・Handsome / Handsome
Handsomeは元HelmetのギタリストPeter Mengedeが作ったバンドで、このアルバムは1997年リリース。Helmetファンの私はずっと欲しいと思ってたが、未開封盤を見付けられてとってもラッキー♪ HandsomeはPeterの他にも元QuicksandのギタリストTom Caponeや元Cro-Mags/Murphy's LawのドラマーPete Hinesがいたりする、この辺が好きな人にとっては夢のようなバンドである。当時は結構華々しく採り上げられてたような気もするが、バンドは結局'98年に解散という短い命であった。
音の方は、「聴きやすいHelmet」「エッジの取れたHelmet」って感じかなぁ。ってそれってHelmetのいいとこがないって事じゃん(^^; まぁ、こういうメロディアスなハードコア進化型バンド(≒エモ)が好きな人は持ってても悪くないアルバムである。曲自体は結構いいよ。

・Snot / Get Some
モダンヘヴィーミュージックの祖とも言うべきSnot。ヴォーカルのLynn Straitが'98年に死亡してしまったことにより、これが彼らの唯一のアルバムとなってしまった。今聴くと確かにKornとかLimp Bizkitなんかのネタ元になってそうだな~と思う箇所がいくつも出てくる。が、やはり彼らよりももっとパンキッシュで、商業化されてない肌触りが良い。Amenのメンバーに元Snotの人がいたのだが、脱退してしまって残念。

・Calexico / Black Heart
これはアルバムじゃなくてMaxiシングル。Calexicoについてはあまり詳しいことは知らないのだが、彼らの曲を以前ネットラジオで聴いたことがあって、良かったような気がしたので買ってみた。サイトで調べてみると、彼らはアリゾナ出身で、オルタナ・カントリーのバンドGiant Sandのメンバーとしても活動していたらしい。去年来日もしてたらしい。
で、このシングルだが、乾いた倦怠と憂鬱がかなり来る。太陽の照りつける砂漠の真ん中での絶望感、って感じか。抑えたトーンのヴォーカルと、ちょっとマカロニ・ウエスタンを思わせるサウンドがとても良い。音楽的にはかなりいろいろな要素がミックスされてる感じで、ロック、カントリー、マリアッチ、アンビエント、トリップホップなど、完全に無国籍サウンド。この乾いた哀愁は大人にしか分からないのよ~ん♪今回買った中ではCalexicoだけが今まではっきりとは音を知らなかったので、まずは収穫。アルバム買ってみようかな。

ああ、たくさん書いて疲れた・・・

最近買ったCD(その1)

2005年07月08日
最近結構まとめてCDを買ったので、その感想などを。買ったのはサウンドベイ金山店とタワーレコード名古屋パルコ店。(サウンドベイについてはこちら参照)
まず国内盤新譜の新品。

・Unsane / Blood Run
数年間活動休止状態にあった、ご存じニューヨーク・ノイズロック・トリオUnsaneの復活作。前作から7年ぶりで、今作はRelapseからのリリース。まず初心に返ったかのような血まみれジャケ。しかもかなりエグい。US盤ではお店で売るには問題があるらしく、別デザインのカバーが付けられて販売されているらしい。音の方も初心に返ったような、まさにぶっといUnsane節。ドスの利いた重低音がみぞおちに打ち込まれてるような、ダメージ度強の仕上がり。「これこれ、これが聴きたかったんだよ!」と言いたくなる、破壊力抜群のタフな音だ。
彼らは去年の3月に来日していて、名古屋にも来てくれた。当然私も行ったので、こちらのライブレポートをどうぞ。

・Hot Hot Heat / Elevator
最近気に入ってるカナダ出身バンドHot Hot Heatの最新作。この前中古で買った1stの「Make Up the Breakdown」がめちゃめちゃかっこよかったので(こちらの記事参照)、新作は国内盤新品という私にしては贔屓した買い方(笑)。楽曲も極上ポップで非常によく出来ていて、演奏にもすっかり個性が出てるけど、個人的には前作の方がなんか好きだな。前作の方がバネが強くてハチャメチャ感があるっていうか。とは言っても、現在雨後の竹の子のようにうじゃうじゃ出現してる「ポストパンク・リバイバルバンド」の中では群を抜いていい個性を持ってるバンドだし、今後もっと成長する可能性は十分にあり。次回作辺りで大化けしてほしい。来日したらライブ行きたい。

・Adrian Sherwood / On-U Sound Crash
エレクトロニック・ミュージックを愛聴していると、何かと関わってくることの多いのがAdrian Sherwoodだ。Nine Inch NailsとかDepeche Modeなどのサウンドプロダクションで名前を知ってる人も多いと思うが、彼と言えば「ON-U Sound」で、ダブサウンドの第一人者という感じで語られることが多い。このアルバムはOn-Uレーベルのベスト盤とも言うべきもので、Sherwoodのリミックス作品の歴史が一聴しただけで分かるというお得な作品である。私も主にインダストリアル系で彼の手がけた曲を聴いていたが、On-U Soundというものをちゃんと聴いたことがなかったので、かねがね機会があれば聴いてみたいと思っていた。
ダブというのはそもそもレゲエから発展したもので、重低音を加工してさらに強くするといった感じの手法だから(この辺は専門のサイトで調べてちょ)、当然このアルバムにもレゲエ系がかなり多く占める。私はどっちかと言えばレゲエは苦手な方なのだが、Sherwoodの手法はレゲエの大らかでのんびりした感じではなく、金属的な重量感を重視したものになっているので、私でも比較的OKだった。でもやっぱりかっこいいと思ったのはレゲエ色の低いもので、TackheadとかMark Stewart(Mark Stewart & Maffiaじゃなくて彼一人のヤツ)なんかが金属感バキバキで非常によろしい。African Headchargeもよかったかな。Sherwoodはパンクとレゲエを融合させた偉大な人なので、一聴の価値あり。

さて、以下は中古。

・The(International) Noise Conspiracy / Survival Sickness
私はスウェーデン出身のプログレッシブ・ハードコアパンクバンドとでも言うべきRefusedが非常に好きなのだが、元RefusedのDenisが作ったバンドがThe(International) Noise Conspiracyであ~る。私はこのバンドの3作目の「A New Morning, Changing Weather」を持っててお気に入りなのだが、この2作目はまだ持ってなかったので中古で見付けてラッキー♪
彼らのサウンドはRefused時代とは違って、モッズの香りのするタイトなガレージサウンド、という感じで、極めて政治的な歌詞がポイント。彼らのアルバムのブックレットにはいつも「共産党宣言」みたいな文章がくっついてくるが、私はサウンドがかっこよければこんな事はどーでもいいのである。彼らのビデオやジャケットはいつも非常にかっこいいので、それもナイスポイント。このアルバムはスマッシュヒットしたシングル「Smash It Up」も入っているが、曲がとても良くていいアルバムだ。ガレージといっても硬質な感じがするのが私向き。最新作「Armed Love」はRick Rubinプロデュースでとっくにヨーロッパでは出ているのだが、いつまで経っても日本盤やUS盤が出ないみたいなんだけど。待ってるのやめてもうUK盤買っちゃおうかな。

まだまだ買ったので、その2に続く。
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