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「ツイン・ピークス」再見

2014年02月25日
前回の記事でも書いたが、Huluで「ツイン・ピークス」をもう一度全部見直してみた。こういう昔見たのをもう一度見る、って時はやっぱ見放題がいいね。

「ツイン・ピークス」と聞いて「おおっ!」と思うのは団塊ジュニア以上だと思うので、一応解説。
「ツイン・ピークス」はデヴィッド・リンチ監督の、90年代前半に世界的な大ブームを巻き起こしたカルトドラマなのであります。リンチ監督はそれ以前にも「イレイザーヘッド」や「ブルー・ベルベット」などの映画作品でカルト的な人気を誇っていたが、一般的な知名度がグッと上がったのは、この「ツイン・ピークス」によるものでありましょう。

今のようなスタイルでアメリカのテレビドラマが日本で見られるようになったのは、「ツイン・ピークス」が最初だったと思う。確かにそれ以前からも一部の米ドラマは日本でも人気だったが、「刑事コロンボ」にしろ、「大草原の小さな家」にしろ、地上波テレビでの放送で、家族と一緒に見るものだった。「ツイン・ピークス」は1991年4月のWOWOW開局と同時に放送されるという「衛星放送で見るドラマ」の先駆けであり、レンタルビデオで一気見、という今の米ドラマブームに続くスタイルを作り上げた作品だと思う。

舞台はアメリカ ワシントン州、カナダ国境まで8kmの架空の街、ツイン・ピークス。深い森に包まれ、時代の流れから取り残されたような小さな田舎町で、ハイスクールの人気者だった美少女、ローラ・パーマーの死体が発見される。湖畔でビニールにくるまれた姿で発見されたローラの死は、犯罪とは無縁ののどかな町に衝撃をもたらす。しかし、一見のどかな田舎町に見えるツイン・ピークスは、裏ではドラッグや暴力、陰謀、殺人などの暗黒面を持っていた。そして、深い森の奥には「何か」があった・・・

twinpeaks1.jpg

「世界一美しい死体」とのふれこみの、ビニールにブーケのようにくるまれたローラのイメージ↑は強烈で、怪しい人物ばかりのツイン・ピークス町民の人間関係、謎が謎呼ぶローラの日記、深い森の北ヨーロッパのような寒々しい風景にドはまりする人続出。当時私は二十歳そこそこで、まさにストライクゾーン。私は地上波で放送されてから見たが、確か毎週土曜の深夜、ワクワクとテレビの前に座ったのであった。
また、当時はグランジブーム席巻でワシントン州のシアトルが世界的な注目を集めており、シアトル近郊が舞台というのも相乗効果があったと思う。なんとなくアメリカ北西部がイケてるような空気だったw
なお、ロケ地はシアトルから車で30分くらいのスノコルミーという町周辺で、当時はロケ地を巡るツアーも大盛況。印象的な滝に臨む「グレート・ノーザン・ホテル」は、実際にはSalish Lodge and Spaという高級リゾートホテルである。

さて、前置きが長くなったが、私がこの作品をまた見てみようと思ったのは、当時見始めは熱狂的にはまったのに、途中からなんだかついていけなくなり、結末にもモヤモヤしたものが残り、スッキリしない印象をずっと持っていたからである。
このモヤモヤ感は作品が不出来だったからなのか、私が若くてバカだったから理解出来なかったからなのか、もう一度確かめたいという気持ちをもう20年くらい持っていたw

このドラマは、「誰がローラ・パーマーを殺したか?」というのがやはり一番のキモであるのでミステリーかと思いきや、超自然的なものがフツーに出て来るので、「ミステリー風のホラーサスペンス(&コメディ)」としっかり認識してから見た方がいいと思う。
主役はFBI特別捜査官のクーパー(変人だが)であるし、当時視聴者はみんなクライムサスペンスとしての展開を期待していた。
しかしクーパー(カイル・マクラクランはこれ以上ないほどのハマり具合)の捜査法は夢のお告げが根拠だったり、瓶に石を投げて決めたりと「科学捜査」というものから程遠い( ;´Д`) 優秀な捜査官ではあるのだが、エキセントリック過ぎて視聴者は「ポカーン」w

ただ、かなり初期段階からローラを殺したのは超自然的なもの、という描写は何度も出て来るので、改めて見てみたらあの「ポカーン」は視聴者の思い込みのせいだったかも、という気もする。
また、リンチとマーク・フロスト(リンチと共同で脚本担当)の一番描きたかったのはツイン・ピークスの町と住民であり、誰が犯人かということにはそれほど重きを置いていなかったのではないか?とも思う。異様なほどにキャラクターの私生活を細かく描写しているし(本筋とは関係ない場合が大半)、架空の町の細部を描き込みたくて仕方がなかった、というのが改めて見てみた後の印象である。
キャラクターは突飛な人物ばかりだし、トレカがほしくなる程だw
なお、リンチ自身も耳が遠くてやたら大声で話す、クーパー捜査官の上司という役所で出演している(これ、好きなキャラクターw)。

しかし、改めて見てみると話の展開がほんとに遅いので、今のドラマに慣れた目にはじれったさを感じると思う。
変なキャラクターの変な私生活ばかり描いていて、ちっともローラ殺しの犯人探しが進まないw
でも当時もやはり「だから犯人は誰なんだよ」という世間の声が大きかったので、制作側もプレッシャーに負けてシーズン2の半ばで犯人を明かしてしまった。犯人が分かってしまうと急速に視聴者は興味を失い、視聴率も急降下。

またリンチもフロストも別映画の制作があったので、シーズン2の大半には関わっておらず、脚本も監督も別の人がやったものばかり。特にシーズン2の後半は散漫な印象で、当時私が飽きて来たのもこの辺だった。
ウィンダム・アール(かつてのクーパーの相棒)の復讐のくだりは、あんなにダラダラやらずに2話くらいで決着を着けた方がメリハリついてよかったんではないか?

けれども最終話はフロスト&リンチ脚本、リンチ監督という元々の布陣で、改めて見たらすごく良い出来だった。さすがの鮮やかな手腕である。
昔見た時はスーパーナチュラルな結末にモヤモヤした印象があったけど、今見てみるとホラーとして正しい終わり方だった。
ということは、モヤモヤしたのはシーズン2後半の散漫さのせいであって、超自然的決着のせいではなかったのであった。

と、全体像を再確認して思うに、やはりこのドラマの一番の見所は、生き生きと変な事をする変なキャラクター達だ。
それと、一般的なテレビドラマのレベルを遥かに超える美女がたくさん出て来るので、これもポイントだ。



↑左からローラの親友、ドナ役のララ・フリン・ボイル、グレート・ノーザン・ホテル社長の娘オードリー役のシェリリン・フェン、ダイナーのウェイトレスのシェリー役のメッチェン・アミック。
他にも香港から来た美女、ジョシー役に「ラスト・エンペラー」の皇后役のジョアン・チェンが出演している。

昔見た時は若かったから分からなかったのだと思うが、役者として一番輝いているのは、グレート・ノーザン・ホテル社長のベンジャミン・ホーンを演じている、リチャード・ベイマーなんじゃないかと歳食ってから思ったw ホーンは地元の名士で手広くやってる実業家なのだが、裏では相当悪どい事をやっている。この悪党をベイマーさんは実に楽しげに演じている。悪党だけどどこか憎めないキャラクターなのだ。
調べてみてびっくりしたのだが、彼はあの「ウエストサイド物語」のトニーをやっていた俳優さんなのであった!

そして、美しい自然の風景。この魅力が占める割合も半分くらいあると思う。
この↓オープニングのタイトルバックでも十分感じてもらえると思う。



それから、何度も出てくるダイナーのおいしそうな食べ物。チェリーパイはブームになったし、クーパー捜査官激賞のコーヒー、保安官事務所にいつもたんまり並べてあるドーナツ。これも楽しい見所だ。

「ツイン・ピークス」の魅力、それは「鳥獣戯画」の魅力と似ているのかも知れない。

(なお、ドラマ終了後にドラマの前日譚として「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」という映画も撮られているが、こちらは未見)







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「セクレタリー」(2002年/アメリカ映画)

2014年02月16日
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私は日本上陸時からHuluを見ているのだが、昨日たまたま見てみた「セクレタリー」という映画に思いがけずいたく感動してしまったので、最近放置気味だったブログを更新しようと思い立ったのであります!
(*注* ネタバレありますのでご注意!)

Huluは映画の監督名や出演者情報が全然ないので(これなんとかしてくれよ~)、ジャンルやあらすじから何となく選ぶしかないのだが、この「セクレタリー」は『リーが生まれて初めて挑戦した就職は、グレイ弁護士事務所の「従順な秘書」。変わり者の雇い主、ミスター・グレイとの息はぴったり。彼はリーのタイプミスを何度も打ち直しさせ、体のクセを指摘する。その厳しさに感謝する彼女だが、ある日、タイプミスのお仕置きにお尻を叩かれたリーは、猛烈な快感を覚えてしまう。一方、ミスター・グレイも、リーを教育することで、欲求が満たされるのを感じていた。』というどう考えてもC級エロ映画なあらすじw。しかしジャンルが「コメディ」だったのに興味を覚えたので見てみた。

映画が始まってみると、クレジットにデーンとジェームズ・スペイダーの名前が出たので一気に合点がいったw 彼がグレイ弁護士役で、マギー・ギレンホール(「ダークナイト」etc.)がリー役。この二人の演技が本当に素晴らしく、役にぴったりとはまっていた。

リーは家庭に問題があり、10代の頃から自傷行為をすることで精神を安定させていたが、母親に見つかり精神病院に入院。物語は彼女が退院した日から始まる。
社会復帰のためコミュニティカレッジ(公立の短大みたいなもの)でタイプを学び、その技能によりグレイ弁護士事務所の秘書として雇われる。
グレイ弁護士は彼女のタイプミスや服装、髪を触ったりする癖を厳しく矯正するが、リーは従順に応え、教育してくれる彼に感謝する。初めはダサかわ系だった彼女の服装も次第にエレガントになっていき、見事に「エロい秘書」に変身w 高校時代からの知り合いのピーターともデートするようになり、充実した日々を過ごしていた。

しかし職場にもかわいいお裁縫箱に入れた「自傷セット」を持参しているのをグレイ弁護士は見逃さなかった。彼はリーに優しく語りかけ、二度と自傷行為をしないように約束させる。彼女はグレイ弁護士に上司以上の感情を抱き始める。
その後も相変わらず厳しい教育をするグレイ氏だったが、ある日タイプミスをしたリーに「お尻ペンペンの刑」を!それに思いがけずリーは激しい快感を覚え、以後「ご主人様と従順な下僕」の妖しい関係に。
自宅の食事メニューをグレイ氏に電話報告し、食べる量を細かく指示されて、嬉々として従うリーw
彼女は自分のマゾヒストとしての素質を自覚し、自己を解放していったが、グレイ氏は自分のサディストとしての素質を受け入れられず、彼女の愛を拒絶し、解雇してしまう。
絶望したリーは、ピーターのプロポーズを受け、婚約してしまうが・・・

物語の前半は、エキセントリックなグレイ氏とおどおどしたリーの関係が妖しい緊張感を持って描かれ、サスペンスか?!と思うのだが、物陰からリーの様子を窺うグレイ氏(「家政婦は見た!」張りの怪しさ爆発w)とか、リーのグレイ氏との妄想風景が妙にチープで少女趣味だったりとか、随所笑いどころがw
ジェームズ・スペイダーは、本当にこういう「一見エリート、実は変態」という役が合うw
カイル・マクラクラン(今、「ツイン・ピークス」も見直してるので後ほど書こうと思う)と共に、アメリカが誇る変態エリート俳優だ。ジェームズ・スペイダーは大学生の時に「セックスと嘘とビデオテープ」を見て以来、なんかツボにはまる俳優だったのだが、この「セクレタリー」での演技は「セックス・・・」に勝るとも劣らない素晴らしいものだ。

また、マギー・ギレンホールもすごい美人でもなく、すごいナイスバディでもないところがかえって合っていて、「こういう一見地味で真面目そうなのが実はドMなんだよ~」と思わせるリアリティが。おどおどしていた彼女がMに目覚め、どんどん綺麗になっていくのは女性の自立の物語としても見ることが出来、C級エロ映画かと思ったら実は極めて真っ当な成長物語なのであった。

物語の後半で、この映画が実は純愛物語だったことが分かる。お互いシャイな二人が不器用に心を通い合わせ、こんなに相性がぴったりな相手なんていない!と気付いていく。
リーがグレイ氏の過酷な放置プレイを見事クリアし(この描写がすごいコミカル)、ハッピーエンド!このエンディングが実に清々しく、まさかSM映画で感動するなんて!w 「爽やかな純愛SM映画」というのはこの広い世界にもそんなにないのではないだろうか。
英語版wikiで調べてみたら、スティーヴン・シャインバーグ監督は「マイ・ビューティフル・ランドレット
」(若きダニエル・デイ・ルイス主演の映画で、私の非常に好きな作品)にインスピレーションを受けたと語っていて、性的マイノリティの純愛映画として確かに共通する部分があると納得したのであった。

それと、美術セットにも注目!グレイ氏は事務所で蘭を育てているのだが、闇の中で艶めかしく息づく蘭や、ダークな色合いのやたらデコラティブな壁紙とか、「ああ、変態だな」と思わせるw
それに対してリーの部屋は淡いラベンダー色が基調の少女趣味なインテリア(ロリータっぽいっていうか)で、自傷セットのお裁縫箱もラベンダー色だし、求人情報に丸を付けたペンもラベンダー色だし、彼女の内面がまだ少女から脱していないことをよく表している。
ちなみに、グレイ氏がタイプミスを指摘するペンは真っ赤で、その赤に喜ぶリーは、確実に成熟している。

C級変態SM映画かと思ったら爽やかに感動してしまった素晴らしい作品なので、是非見てみてください!

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「アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち」

2009年10月18日
最近なんかメディアでAnvilの名前をよく目にすると思ったら、「アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち」っていうドキュメンタリー映画が公開されるのか。この映画に関するMovieWalkerの記事↓

・キアヌが大プッシュ!30年間“泣かず飛ばず”のヘビメタバンドって

Anvilはカナダのメタルバンドで、私も中学生の頃アルバム持ってなかったっけ?SMショップで買ったという衣装はよく覚えてるな。
でも「30年間泣かず飛ばず」ってひどいなぁ。まぁ確かにB級バンドであったことは否めないか。
彼らは今は地元トロントで給食の配達員の仕事をしながら、未だに「ロックスターになる」という夢を追いかけているらしい。しかも50代!見た目は若いな。バカだからか(笑)。

で、このドキュメンタリーがすごくいい出来らしく、マイケル・ムーア監督やダスティン・ホフマンらが大絶賛!キアヌ・リーブスは同郷で、この映画の応援団長を買って出たらしい。

公式サイトで予告編見たけど、すごく見たくなった!こういうバンドの悪戦苦闘ものは面白いに決まってる。
名古屋では来週末の10月24日から伏見のミリオン座で公開。この映画館、去年Joy Divisionの「コントロール」を見に行ったことがあるんだけど(ブログに書きそびれたけど、とてもよかった)、単館系のシネマコンプレックスですごくいい感じ。こういう所は応援したいよね。名古屋の宝だ。

昔からロック系の映画が公開されたら必ず見に行ってたので、これも行きたいなぁ。こういう爆笑出来るタイプのはダンナさんと見に行きたいけど、娘がいるしなぁ。DVD出るまで待つ?でもそれだと「見た!」って感慨が薄くなるしなぁ。

Anvilもこの映画をきっかけにブレイク出来るか?頑張れ!今日、Loud Parkにも出演したらしい。

ヤバい先生

2006年05月25日
慢性の持病があるので昭和区に引っ越してきた時から通っている病院があるのだが、産前にまとめてもらっていた薬が切れて久々に行こうとしたら、先生が入院しちゃって休業してた(^^; 医者が病気で入院して医院を閉めちゃう、なんてのには初めて遭った。
ここの先生は私が通い始める前から何が悪いのか知らないけど病気がちで、週に2度くらいしか病院に来なくて後はヘルプの医者が患者を診ていた。まぁ私は症状が悪化した時だけ先生に診てもらって、後は薬をもらえればそれでいいのでこんな感じでも良かったのだが、休業となるとかなり困る。名古屋じゃここにしか置いてない医療機械もあるし、ベビーカーでも何とか歩いて行ける距離だったし(妊娠前はチャリで行ってた)。
今までちょこちょこ体の具合と折り合いを付けながらやって来たけど、今回はしっかり入院して治したいから休業、とのことらしい。再開の見通しは付かないらしい。

この先生は、今までも診察してる時になんか手が小刻みに震えていた(^^; 歳はどう見ても40代前半以上ではない、わりと若い男性の先生だが、ものすごく神経質そう。一体何の病気なんだろう。少なくとも自分のやってる科の病気じゃないことは確かだ(笑)。
この先生のキャラだと、自分で処方箋を書いて、って感じの鎮痛剤ジャンキーがよ~く似合う(笑)。診察中も次の薬をどうやって手に入れるか、ってので頭がいっぱい。

あ、こういう医者の話、昔読んだことあるな。バリ・ウッドの「戦慄の絆」っていう、実際にあった事件を基にした小説だ。クローネンバーグ監督の「戦慄の絆」の原作で、非常に面白くてかなりずしっと重く響く作品だった。ニューヨークで共に産婦人科医である一卵性双生児の兄弟が、アパートの部屋で腐乱死体で発見された。ここに至るまでの過程を描いたものなんだけど、小説では要だった兄弟の近親相姦的ホモセクシュアルの要素が、映画では微妙に排除されてたのが興味深い。クローネンバーグ監督は非常に好きな監督なんだけど、これで「ホモフォビアなのか?!」と思ったが、その後「戦慄の絆」にも出演していたジェレミー・アイアンズとジョン・ローンで「Mバタフライ」なんか撮っちゃうからそうでもないのか(そういえばジョン・ローンってどこ行っちゃったんだろう?ジェレミー・アイアンズは結構好き♪)。小説には出てこない、映画ならではの醍醐味っていうか、独特のオリジナル手術道具がかっこよかった。鋭利な変形メスみたいなやつで、金属フェチにはもうたまらん。クローネンバーグは「クラッシュ」でもロザンナ・アークエットに激かっちょいいガキガキ金属ギブスを付けさせていたけど、ああいうのが好きなのか。

ああ、だいぶ話が遠くにすっ飛んでいった(笑)。とにかくこの病院に代わる所を探さなきゃいけないので、とりあえずネットで見付けた所に行って薬をもらってきた。ちょうど東京から母が来ていたので赤ちゃんを預かってもらったが、ここはチャリじゃなきゃ行けない距離だ。今後どうしよう。ベビーカーじゃ無理。駅からもかなり離れてるし。土曜にするか。
あ~、先生、鎮痛剤中毒から早く立ち直ってよ~!(←勝手に決めつける私)

「エイリアン4」

2006年02月11日
テレビでやっていた「エイリアン4」を見た。シガニー・ウィバーだけじゃなくて、ウィノナ・ライダーも出てるヤツ。
「3」で胎内にエイリアンを宿したリプリーは溶鉱炉に飛び込み自殺するが、本作では残されたDNAからクローンとして復活させられてしまう。毎度毎度思うが、リプリーって人は人生の大半をエイリアンに費やしてる全く気の毒な人だ。しかもクローンになってまでお付き合いとは。

監督は「デリカテッセン」のジャン・ピエール・ジュネ。「デリカテッセン」は以前見たことあるが、確かにこの「エイリアン4」と共通するグロさがあったような。ってか、この監督「アメリ」も撮ってるんだよね。買い付け会社の担当者はジュネ監督作品だから「アメリ」もグロ系かと思って買ってみたら全然違って、でも大ヒットしちゃってびっくり、ってな話を確かタモリ倶楽部でしてたような気がする。

さて、クローンとして復活したリプリーは、やはり胎内にエイリアンを宿しており、エイリアンは生物兵器として利用するためにリプリーのおなかから取り出される。エイリアンの帝王切開か(笑)。んで、兵器として使うために科学者はエイリアンの増産をするんだけど、案の定コントロールが利かなくなって宇宙船内にエイリアンが出没→船員惨殺、というお決まりコースで、リプリー達はまたまたエイリアンとの死闘、っていう羽目になる。

まぁストーリーはいつもこんな感じだし特に問題もないと思うのだが、ちょっと驚いたのが自分自身の反応だ。「エイリアン」シリーズは通常時ならかなり好きな部類に入る作品なのだが(ギーガーのデザインかっこいいし、シガニー・ウィバーも凛々しいし)、現在妊娠中のせいか、何だか言いようのない不快感に襲われた。エイリアンは「シャーッ!!」って言いながらよだれ垂らしていきなり襲ってくるのももちろん怖いが、「人間にこっそり寄生している」という所が何よりも怖い。しかも今回はリプリーの子宮の中でぬくぬく育ち、帝王切開で出てきたって所が、妊娠中の私にとっては生々しい生理的な不快感となって感じられた。ジュネ監督のねっとりとした皮膚感覚に来る不快感でもうかなりダメ。
エイリアンは今までは卵で増えていたのだが、リプリーの胎内から生まれたってことによって、哺乳類のような子宮による出産が可能になり、人間とエイリアンのハーフのような生物を産み出す。本作ではやたらと「子宮」「母胎」といったことが強調されていて、もうこの辺で見てるのがかなりきつくなってきて、お風呂に入ってしまった(笑)。

こうした反応は、自分でもかなり意外だった。生々しい不快感に耐えていると、へその緒から赤ちゃんに「不快汁」が行ってるような気がしてならなかった(笑)。これは赤ちゃんにも良くない。妊婦はエイリアンシリーズは見てはいけないと悟ったのであった。
私のおなかから赤ちゃんが「シャーッ!!」って言って出てきたらどうしよう(笑)。
ということで、途中でギブアップしてしまったので映画に対する正当な評価は不可能。

ところでウィノナ・ライダーだが、これって例の万引事件よりも前だよね、やっぱ。最近あんまり見ない気がするが、やはりヤバい人だからかな。アメリカでは今はどういう扱いなのかな。日本で言うと藤谷美和子みたいな位置かな。そういえば藤谷美和子、「紀宮様は私の妹」事件はどうなったのか。確か最近結婚したんだよな。ダンナもマニアだな(笑)。

「リトル・ダンサー」

2006年01月01日
元日深夜、お風呂から出てテキトーにテレビを付けたら、T.Rexが流れてきた。テレビ欄を確認すると、「リトル・ダンサー」(2000年/イギリス/スティーヴン・ダルドリー監督)という映画。他にも何曲かT.Rexを使っていたのでそのまま最後まで見てみた。

舞台はイングランド北部の炭坑町、ダーラム。11歳のビリー(ジェイミー・ベル)は炭坑で働く父と兄、祖母と一緒に暮らしていた。母親が亡くなって以来、家庭は何となくギスギスしている。父親はビリーをボクシング教室に通わせるが、同じ施設に移ってきたウィルキンソン夫人(ジュリー・ウォルターズ)のバレエ教室を偶然目にしてバレエに強く惹かれ、こっそり女の子達に混じってレッスンを受け始める。ビリーはバレエに夢中になり、ウイルキンソン夫人はビリーの才能を見抜き熱心に指導、ロイヤルバレエのオーディションを受けることを薦める。しかし、ビリーがボクシング教室の費用をバレエ教室に使っていたことを知った父は激怒。
その頃、父と兄が働く炭坑では労働争議が激しくなり、労働者達はストライキをしていた。ストが長引き重苦しいクリスマスの夜、親友マイケルの前で踊るビリーの姿を初めて見た父親は、ビリーの才能に気付き、ロイヤルバレエの学費を捻出するためスト破りを決意する。オーディションに合格したビリーはロイヤルバレエ学校に入学するためにロンドンに旅立つ。

イギリス映画らしく、ハリウッドのような派手な感動を誘う演出ではなく抑えめ。北イングランドの鉛色の空が重苦しいが、この映画の一番の魅力は自然な演技を見せるビリーだろう。彼が踊る喜びを全身で表現しているときにはT.Rexが使われていた(労働争議のシーンではClashの"London Calling"が使われていた。まぁベタって言えばベタだけど、確かにこの曲はそういう感じだ)。
途中から見たのでビリーがバレエに惹かれたシーンなんかは見逃してしまって、細かい評価は出来ないのだが、まぁストーリー展開はわりと普通。「炭坑夫=お先真っ暗→息子のバレエの才能に夢を託す」という構図もステレオタイプと言えばそうだし。「バレエなんかオカマのやるものだ」と激怒していた父親が、コロッと態度を変える所ももう少し描き込んでほしいような。まぁそれだけビリーのダンスが素晴らしかったって事か。でも、この場にはチュチュを着た親友マイケル(彼は同性愛者だとビリーに告白)がいたのに、オカマ嫌いなのにノープロブレムなのか。ビリーのオーディションに付き添い、合格発表までのドキドキ不安な父親の様子は良い。

10数年後、成人したビリーの晴れ舞台を父と兄が見に行くシーンがラストにあるのだが、この成人したビリーをやっているのが英国を代表するバレエダンサーのアダム・クーパー。でもほとんどダンスのシーンがなくて一瞬で終わってしまうのが残念。クーパーのダンスがもっと見たかった。

話は変わるが、私が3歳くらいの時、母に連れられてボリショイバレエの「白鳥の湖」を見に行ったことがある。母は「子供には良いものを見せなければ」という考えで、かなり高いチケットをチビの私のために買ったのだが、幼すぎた私は案の定途中でぐずり始め、「バレエに感銘を受ける」所ではなかったらしい。ぐずり防止にあてがわれたカップケーキを食べながら、「4羽の白鳥」のシーンを見ていたことは何となく覚えている。なので私の中では「ボリショイバレエ=カップケーキ」という構図が出来てしまった(笑)。
あんまり小さすぎる頃にこういうものを見せても無駄だということであった。やっぱせめて小学生にはなってないと無理なんじゃないかなぁ。
それ以来生でバレエを見たことはないけど、NHK教育なんかで放送されるバレエは結構好きだ。もうちょっと大きくなってから連れて行ってもらってたら、私の人生も変わっていたかも知れないなぁ。

「スーパーサイズ・ミー」

2005年08月11日
今日から一週間の夏休み。まだおなかが不安定な時期で遠出も出来ないし、ダンナさんの仕事も忙しいので地元でウダウダする予定。
って事でツタヤに行ったら新作の所に「スーパーサイズ・ミー」のDVDがあったので借りてきた。これ、劇場公開時に見に行こうと思ってたけど逃してしまったのだ。
マイケル・ムーア監督などで最近ドキュメンタリー系の勢いがいいが(「ボウリング・フォー・コロンバイン」についての記事はこちら)、この映画もそういう体当たり系ドキュメンタリーだ。監督のモーガン・スパーロック自ら挑戦する、1ヶ月間マクドナルドのメニューのみを食べたらどうなるか、という命がけの実験記録なのであった。

きっかけは、ニューヨークに住む二人のティーンエイジャーの少女が「自分たちの肥満の原因はマクドナルドのハンバーガーのせい」としてマクドナルド社に対して訴訟を起こした、というニュースだった。マクドナルド側は自社の商品の栄養面と肥満の因果関係は全くないと主張。これを見たスパーロック監督は、彼女たちの言い分とマクドナルドの言い分のどちらが正しいのか自分で証明してみよう、と思いついた。(結局この裁判では原告の主張は棄却された)
実験のルールは、「30日間、3食すべてマクドナルドのメニューのみで生活すること」「すべてのメニューを必ず一度は食べる」「スーパーサイズ(特大)を勧められたら快諾する」「注文したものは残さず食べる」というもの。
モーガンが住んでいるのはニューヨーク。ニューヨーカーはとにかくよく歩くそうで、平気で一日6~8kmは歩く。しかし車を多用する平均的なアメリカ人の生活に合わせるため、一日5000歩以下に抑える。
かくして「自分自身を特大にする(Supersize me)」という前代未聞の実験が始まる。

この実験において、3人のドクターと栄養士、運動生理学の専門家の協力を得る。実験前に綿密な健康診断と体力測定をするが、モーガンの体は健康そのもの。体脂肪率・BMI値も理想的で、体力は同年代の平均以上と太鼓判を押される。
また、彼のガールフレンドのアレックスはベジタリアン・シェフ。この実験による体への影響を非常に心配する。

準備も整い、いよいよ実験開始。彼は元々ファストフードは嫌いではないので、意気揚々とエッグマフィンとソーセージビスケットの「マックバリューセット」でスタート。2日目にはスーパーサイズを勧められ、巨大なチーズバーガーとフライドポテトをパクつく。が、途中からもうギブアップで、遂に嘔吐してしまう。3日目には胃の不調を訴え、7日目には胸の圧迫感を感じる。
栄養士からはカロリー摂取過多を指摘される。成人男子の理想的な一日のエネルギー摂取量は2500kcalだが、モーガンは約5000kcalも摂っている。5日目にして体重は4kgちょっと増加。
2週目になると精神面に影響が出始める。気分が滅入り、食べるとまたすぐに食べたくなるという中毒症状の兆しが見えてくる。体重も7kg以上増加。
3週目になると激しい頭痛に悩まされる。しかし、食べるとすぐにハッピーな気分に。健康診断ではあらゆる数値が病的な状態を示し、とうとうドクターストップがかかる。命が危ないと言われるが、やめる訳にはいかない。何とか4週目も切り抜け、命からがらやっとゴール!最終日はマクドナルドでパーティー。

終了後、体重と脂肪は大幅に増え、肝臓もアルコール中毒患者のような肝硬変状態に。血圧もコレステロール値も異常に上昇。ドクター達も当初はこれほどまでにファストフードで体に悪影響が出るとは予想していなかったが、高脂肪食でもアル中患者と同じ状態になることが立証された。このままあの食生活を続けていたら、明らかにあの世行きだ。
また、実験後は急遽アレックスによる「ベジタリアン解毒メニュー」で食餌療法開始。結局、元の体重に戻るには半年以上もかかったそうだ。

モーガンは実験中にアメリカ各地を廻るが、全米で肥満率の高い都市のトップ5にいくつもランクインするテキサス州では、スーパーサイズを勧められる回数が多かった。これがもう半端じゃなくてデカい。ドリンクのスーパーサイズはなんと1.9リットルもある。まさに鯨飲馬食。この分量(半ガロン)で砂糖48杯分も含むドリンクもあるらしい。

また学校もいくつか廻るが、学校給食のメニューがジャンクフードだらけだったのには驚いた。カフェテリア形式だから、子供は好きなものしか取らない。ランチがフライドポテトとチョコバーとゲータレード、なんて子供がゴロゴロいた。これじゃまともな子供になんてなる訳がない。糖分過多と高脂肪の食事は精神面でも十分に不安定になる要素バッチリだ。この点、生徒全員が栄養士の作った同じメニューを食べる日本の学校給食の方が、画一的かも知れないけど遥かにマシだと思えた。
学校給食にはジャンクフード業者がしっかりと食い込んでいて、子供の健康よりも彼らの利益が優先されている。政治的にもロビイストがガッチリ圧力をかけるので、ジャンクフード業者に不利な法律は可決されない。また、ブッシュ政権の「落ちこぼれ防止プログラム」によって、栄養や健康に関する授業はことごとく減らされているのも子供の健康面には極めて悪影響だ。
中にはしっかり栄養面を考えたメニューを校内で作っている学校もあって、こうしたメニューに切り替えたとたん、みるみる生徒に好影響が見え始めたそうだ。また、校内の炭酸飲料の自販機を撤去する学校も徐々に増えているそうだ。

それから、実験中にアレックスがモーガンとの性生活についてコメントするシーンがあるが(あっけらかんと話す彼女に拍手)、実験を始めてから明らかにダメダメになっているらしい。

安くて簡単におなかがふくれるファストフードは、アメリカでは低所得者層の家庭ほど依存度が高い。マックのお客は週に何回も利用するヘビーユーザーが多いそうだ。実にアメリカの成人の60%以上が肥満であるらしいが、こういう家庭の子供は同じ道をたどることは容易に予想できる。テレビを付ければ朝から晩までジャンクフードの広告が氾濫し、子供はしっかりと脳に刷り込まれていく。監督はこうしたアメリカ社会の食生活に対して警告を発する。
この映画で描かれる問題は明日の日本にも十分起こりうる。郊外ショッピングセンターの加速度的な進出など、日本はアメリカの悪い面を喜んで追っている面がある。日本の場合はファストフードにプラスして、コンビニフードへの依存もあるだろう。

私は過去にアメリカには3回行ったことがあるが、ファストフードに限らず普通のレストランでもとにかく量が多いのに驚いた。現地の友人達は皆全部は食べず、いつも半分以上残していた。みんな残すのに、なぜこんなに多い量を出すのだろうと不思議だった。
私自身は普段はほとんどマクドナルドみたいな所は行かないのだが(お茶をする時にスタバやミスドに行くくらいで、「食事」は摂らない)、現在つわり中に付きあまりきちんとした食事を取る気がせず、冷凍食品やレトルトなんかに頼りがちである。また普段はドリンクもコーヒーか紅茶をノーシュガー(ミルクは入れる)で飲むのだが、カフェインに気を付けないといけないから外では甘いドリンクになってしまう。この前ミスドでジンジャエールを注文したのだが、「現在同じ金額で特大サイズになりますが、いかがですか?」と言われて思わず「お願いします」と言ってしまった。スーパーサイズだ!あの中には相当砂糖が入っているだろう。
この映画を見て、いろいろと考えてしまったのであった。

なお、サンダンス映画祭でこの映画が上映されると、マクドナルドは映画との関連性は否定したが、スーパーサイズの廃止を決定したそうである。


追記:
去年さるさる日記に書いた映画関係の記事をいくつかこっちにアップしました。「映画」のカテゴリでどうぞ。

『皇帝ペンギン』見てきたぞ!

2005年08月04日
こちらの記事でも書いた『皇帝ペンギン』、遂に見てきたぞ!
『皇帝ペンギン』はフランスで大ヒットしたドキュメンタリー映画。とにかく雛ペンギンがモコモコと食べちゃいたいくらいかわいいので、とても見たかったのだ。
ほとんど日本語吹き替え版の上映館が占めているが、私は吹き替え版の大沢たかおと石田ひかりが大嫌いなので、字幕版を見に名駅のシルバー劇場まで行った。劇場のサイトを見たら木曜はレディースデーだったので(千円で見られる)、仕事をパパッと終わらせてちょっと行ってきた。6時の回に行ったが、レディースデーのせいかかなり混んでいた。ほぼ満員。もちろんほとんど女性。

映画の舞台は南極で、皇帝ペンギンの繁殖がテーマである。ドキュメンタリーと言ってもかなり物語風な味付けがしてあって、母ペンギン(声はロマーヌ・ボーランジェ)、父ペンギン(『リディキュール』などで知られるシャルル・ベルリング)、子ペンギン(子役のジュール・シトリュック)が心情を語る、という形式。

冬が始まる頃、ペンギンたちは長い長い行列を組んで、「オアモック」と呼ばれる内陸の場所を目指して歩き続ける。氷山に囲まれたその地は、容易に近づくことの出来ない場所だ。20日ほど辛い行進を続けて(100kmほど歩く)オアモックに着くと、そこには他のキャラバンのペンギンたちも集まり、何千羽もの大集団お見合いが始まる。ペンギンたちは無数の相手の中から結婚相手を選び、求愛のダンスに興じる。
しばらくするとメスは卵を産み落とし、パートナーのオスに託す。メスは産まれてくる雛のために栄養を付けに、再び海を目指して長い長い行進をする。オアモックは氷に閉ざされて何も食べるものがないが、海には魚がたくさんいるからだ。

メスが再び長い旅に出ている間、オスは足の間に卵を挟み、ジーッと暖め続ける。ほぼ2ヶ月間、オスは雪以外は何も口にせず、絶食して待ち続ける。マイナス40度という極寒、時速250kmのブリザードが吹き荒れる中、ちょっとでも卵を離せばたちまち凍ってしまう。何千羽ものオスは片時も卵を離さず、ひたすら待ち続ける。ペンギン同士で体をくっつけて暖を取り合い、塊のようになってブリザードを耐え抜く。
一方メス達は苦行を終えて海にたどり着き、思う存分泳ぎ回って魚を食べる。しっかり栄養を付けると、またオアモック目指して辛い行進を開始する。
2ヶ月ほど暖められた卵は、次々と孵化する。ふわふわした雛ペンギンがあっちこっちで生まれ、卵の時のようにオスの足の間にもぐって暖めてもらう。食べ物が何もないので、最後の手段としてオスは「ペンギンミルク(胃壁や食道の粘膜がはがれたもの)」を雛に与える。

そしていよいよもう何もない、という頃に、やっと母ペンギンたちが帰ってきた。ここで短い家族団らんの時間。母ペンギンは、ちゃんと自分の夫と子供を見分ける。おなかを空かせた雛は元気よく母ペンギンのくちばしに顔を突っ込み、胃の中にあった食べ物をもらう。
絶食していた父ペンギンは、食べ物を求めてまた旅立たなければならない。今度は父がまた行進する番だ。12~15kgも痩せてしまったオスは雛をメスに託し、海に向かって危険な旅に出る。家族が一緒にいられる時間はほんの少しだ。
そして春の兆しが見える頃、雛はすくすくと成長。父親も戻ってきて、また一家再会。氷が溶けだして夏の訪れが感じられると、そろそろ雛も独り立ちをする時期だ。子供時代の羽毛が大人の羽毛に生え替わり、いよいよ割れた氷の間から海に飛び込む。オスとメスも別々の方向に分かれ、また冬になったらここに戻ってくる。

・・・というのがこの映画のストーリー。とにかく何度も代わりばんこに難行苦行の行進に出掛けるのだが、もう見てる方も辛くなってくる、非常に厳しい長旅だ。ものも食べず極寒の中、ひたすら長い長い隊列を組んで行進する。100kmもあのよちよち歩きで行進するんだから驚きだ。たまにおなかでそりみたいに滑る。この行進してる様子、どう見てもペンギンの着ぐるみ着てる人間の行列としか思えないほど人間くさい。
で、思ったのだが、こんなに苦労するんだったら、餌のある海の近くでお見合いすればいいじゃん。そこで卵産んで、カップルは交代で卵を暖めて、その間に片方はご飯タイム、ってな感じで。雛が孵っても、同じように交代で子守すれば家族は離れなくて済むし。なんでわざわざこんな異常な苦労をして子育てするんだろう。

と考えたのだが、この映画のパンフの解説を読むと、オアモックは断崖絶壁に囲まれているので、冷たい風をよけることが出来るから、こんな海から離れた所にコロニーを作るのだそうだ。恐ろしく寒いとはいえ、ブリザードの直撃を避けることが出来、多少なりとも暖かい環境らしい。また、そういった断崖絶壁に囲まれているので、外敵の侵入も防ぐことが出来、安全に子育てが出来るから、とのことらしい。
むぅ~、じゃあ、安全なオアモックで、餌が豊富な夏にお見合いすれば?子供もあったかい時に育てれば、餌もすぐ食べられるしいいんじゃないか思うんですが。
でも何だか知らないけど、皇帝ペンギンは敢えて茨の道を選ぶようだ。謎。

まぁそんなことは置いといて、とにかくやっぱり雛ペンギンはかわいくてかわいくて、もう死んじゃいそう!ムクムクモコモコふわふわコロコロ、悶絶もののかわいさだ。ギューッと抱きしめたくなる。これが束になっているんだから、もうたまりません。

雛ペンギン

↑雛ペンギンが歩けるようになると、「クレイシ」と呼ばれるこうした共同保育所みたいなのが出来る。雛は食欲旺盛なので、母ペンギンはまた餌を食べに海に出掛ける。その間、雛たちはこうして固まって身を寄せ合い、天敵から身を守る。この保育所にはちゃんと保母さんがいる。まだ子供を産まない若いペンギンなどが雛たちを監督している。
このモコモコの海、ワ~ッと突っ込んで両腕に子ペンギンを抱きかかえたい!(この写真はパンフから)

全般的に本当に美しい映像で、寒色と白と黒のみの世界は、自然による壮絶な芸術だ。この色彩の中に、春が来ると唯一の暖色である太陽の光が加えられ、何とも言えない絶妙なコントラスト。
そして一体どうやって撮ったのかと思う、ペンギンたちの生態に迫った撮影。クローズアップが多いし、ものすごく性能のいいズームレンズのたまものなのか。ペンギンが海に潜る時も、氷上からの映像と海中からの映像がシンクロして臨場感いっぱい。あんな氷の海にずっとダイバーは潜ってるのか。
本当にさぞや苦労しただろう、と思わせる、生き生きとした美しい映像は一見に値する。

それから俳優によるペンギンの声だけど、個人的にはあんまりこういう演出は好きじゃないなぁ。もっと淡々と、NHKとかBBCのドキュメンタリーみたいなナレーション系の方が私は好きだ。やたらと「愛」を意識したセリフが多いが、個人的にはちょっとこういうのは苦手。もっとニュートラルにお願いします。
とはいえ、字幕版だったからうっつくし~おフランス語の響きなのでまぁOK。そんなに気にならず。これが日本語だったら相当退くぞ。正直寒いと私は思う。まぁ好みによると思うけど。
なお、原題の「La Marche de L'Empereur」は『皇帝の行進』の意味。

ベビーペンギンぬいぐるみ

↑売店で思わず買っちゃった、子ペンギンのぬいぐるみ。実物にかなり近いし。と思ったら、タグが「名古屋港水族館」だったのでちょっと拍子抜け。映画オリジナルのグッズじゃないのか。全国的にも名古屋港水族館のを売ってるのか?
しかし、ぬいぐるみなんか買うのは一体何年振りであろうか。中学生以来かも。「赤ちゃんに良さそう♪」とか思った私も既に母ペンギン(笑)。これ、おなかを押すとピーピー鳴きます。千円也。かわいい♪

『皇帝ペンギン』

2005年07月11日
皇帝ペンギン

名古屋で一番大きなケーブルテレビの会社はスターキャットという所なのだが、うちのマンションにもケーブルが引いてあるからか、毎月情報誌がポストに入れてある。引っ越してきた当時はせっかくだから契約をしようかとも思ったけど、東京で見ていたスカパーに比べてチャンネルが限られてる割には結構高い気がしたので、結局そのまま。ネットもADSL契約してるし。

スターキャットの関連会社は名古屋で映画興行事業もやっていて(名古屋のミニシアターは大体ここの系列のようだ)、この情報誌にはそういう単館系の映画情報も出ているので結構重宝している。

で、今日もこれが入っていたのだが、『皇帝ペンギン』という映画の特集だった。この映画はフランスのドキュメンタリーなのだが(でも結構物語仕立てになってるらしい)、フランスでは『WATARIDORI』や『ディープ・ブルー』の10倍以上の大ヒットを記録したらしい。
もうこのペンギンの写真に完全にやられてしまった。特に雛ペンギン。フワフワした柔毛(にこげ)とコロコロした体が、愛らしさ100%だ。かわいい。かわいすぎる。食べちゃいたいくらいかわいい、とはこのことだ。
心理学的にパンダというのは人間にとっての快感要素の塊らしいが、この雛ペンギンもきっとそうだろう。
やっぱり名古屋に来てから「毛が生えていて柔らかいもの」に飢えているので(こちらの記事参照)、こんなもん見たら激しく反応するに決まっている。

今月23日からロードショーらしいが、見に行っちゃおうか。東京にいた時だったらいくら動物好きでも決して動物映画なんか見に行かなかったのだが(その辺はあくまでもクールな態度を保っていた)、ダメだ、もう見に行きたくて仕方がない。
フランス語版の声の出演はロマーヌ・ボーランジェとかなのだが、日本語吹き替え版が大沢たかおと石田ひかり。ゲッ、この二人大嫌い。興醒めしそう。上映館情報を見てみると、圧倒的に吹き替え版ばかりで、名古屋で字幕版をやるのは名駅のゴールド劇場だけ。見るんだったらここにしよう。

皇帝ペンギン

↑この雛ペンギンのかわいさに抵抗出来る人がいるだろうかっ?!もう悶絶。死にそうなくらいかわいい。
元々ペンギンは好きで、名古屋港水族館にもこの皇帝ペンギンがいた(こちらの記事参照)。ものすごくかわいかったんだけど、ガラス越しで水しぶきがいっぱい付いてたんで、綺麗に写真が撮れなかったのが残念。

もちろんピングーも好きだが、キャラクターグッズは大人なので我慢している。何が嫌いって、いい年して身の回りのものをキャラクターグッズで固めてるヤツほど嫌いなものはない。幼児性丸出しで、絶対に友達にはなれないタイプだ。
ピングーは変な発声なところがいい♪

「ボウリング・フォー・コロンバイン」

2004年09月16日
テレビでマイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」をやっていたので見る。前から見たかったのでビデオを借りようと思っていたが、テレビでやってくれてよかった。
この映画はご存じのようにムーア監督の出世作で、アメリカの銃問題についてのドキュメンタリーである。監督自身がアポなし取材風に各地を訪ねる。

まずはあのコロラド州のコロンバイン高校で起こった乱射事件からこの問題を追究する。これで初めて知ったが、「サウスパーク」の作者二人はコロンバイン高校出身だったそうだ。へ~。犯人二人が好きだったマンソンさんも登場。
この辺は嫌になるくらい典型的な郊外住宅地。監督は事件の根はこの「アメリカ的な郊外生活」にあるのではないかと考える。アメリカ白人はアメリカ建国以来常に何かに怯えながら生きてきた。インディアン、黒人etc.。 白人達は安全な郊外に逃げ、何重にも錠を掛け銃で武装した。テレビは犯罪の恐怖を煽り、スーパーでは簡単に銃や弾丸が買える。そして郊外の白人は見えない敵に怯えさらに武装する。実際、都市部よりも郊外の方が銃撃事件が多いそうだ。

世界の先進各国の年間の銃犯罪犠牲者の数が軒並み2桁ほどなのに対して、アメリカは1万人を越える。これはどう考えても異常だ。アメリカでは銃がすぐ手に入るからなのだろうか。監督はカナダに取材に行く。

カナダでもアメリカと同じようにスーパーで銃が買える。しかし、銃犯罪の数はたかが知れている。これはなぜなのか。カナダではどの家も鍵を掛けないという事に非常に驚いたが、これほんと?!トロントみたいな大都会でもそうらしい。安全だと言われる日本だってみんな鍵はしっかり掛けるぞ。誰かカナダに住んでる人教えて~!

監督は全米ライフル協会長の俳優チャールトン・ヘストンを訪ねる。ヘストンは悲惨な銃撃事件が起きた街にいつも事件直後に行って、ライフル協会の大会を開く。監督はヘストンに「なぜアメリカではこんなに銃犯罪が多いのか」と尋ねると、「様々な人種がいるからかな」。しかしカナダでも白人以外の人種の割合は高い。

監督はまた振り出しに戻り頭を抱える。う~ん、なぜだろう。単なる人種の問題じゃなさそうだ。
まぁムーア監督の主張をそのまま受け入れていいのかどうかは分からないが、いろいろと知らなかった事実を教えてもらった映画だった。特に郊外化の問題は興味深かった。これを見た人は考えるきっかけを与えてもらえたはずだ。
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