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JK FLESH / GOTH-TRAD / DREAMPV$HER at O-Nest, Shibuya, Tokyo(7/21, 2015)

2015年07月30日
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今回はGodfleshの単独東名阪ツアーで来日した彼らだが、去年のようにJustinのソロのJK FLESHのエクストラショウも行われる事に。先週の土曜に行った名古屋ハックフィンでのGodfleshライブの後でJustinとBennyとおしゃべりするというとんでもないチャンスに恵まれ、Justin本人から「JK FLESHにも来てよ~」と言われりゃそりゃもう行かない訳には・・・(;´Д`)
今回は厳しい財政事情により東京行きはやめようかと思っていたのだが、案の定行く事になりました。だって2年間は再来日はしないって言うし、今回のJK FLESHでは新曲やるって言うし!

1年振りの帰郷。うだりそうな暑さの渋谷でレコード屋を物色してから、通い慣れたO-Nestへ!
O-WestではV系のライブがあるらしく、長い行列で整理券順に入場していたが、Nestに入ると……あああ中がよ~く見渡せるよ(´Д` )

火曜日だし、すごいJustinファンのフォロワーさんも仕事で来られなくなってしまった。そういう人も結構いたんでは。
去年はRussian Circlesがトリだったから、その動員で平日でもわりと埋まってたけど、今回のメンツはライブハウスよりもクラブで深夜に見たいような感じだから、平日の早い時間っていうのはなかなか厳しかったな。

まぁそんな感じで呼吸もしやすい入りの中w、最初のDREAMPV$HERが始まった。
二人組で、テーブルの上はなんか配線ウネウネ。モジュラーシンセを使ってるらしい。しばらく様子見だったが、次第に気持ちのいいビートに乗ってきて、身体が自然と動く。
ミニマルでなんとなく'80sっぽい感触のビートに、やはりどこかレトロな音色のエレクトロニクスサウンドが絡むような演奏なのだが、パフォーマンスが進むに連れて覚醒してくるような、面白いステージだった。ドローンノイズとかそういう系ではなくて、軽やかでユニークな音世界が次々に広がっていくような、そんなステージだった。今後の活躍が楽しみなデュオだ。

◼︎DREAMPV$HER↓




さて、転換があっという間に終わって、GOTH-TRADだ!彼の名前は内外のいろんな所で見ていたので、前からライブを見てみたかったアーティストだ。
テーブルの上のケーブルが太い白なのがなんかかっこいい。
爆撃音のようなアグレッシブなノイズからスタートすると、もうこういうの大好物なんでガシッとハートをつかまれる。TwitterでJustinから多大な影響を受けたと書いてるのを見たが、確かにそういう痕跡はあちこちに感じられる。ドシっとした重さのあるベースラインに、カチッとした硬質なエレクトロニクス、というような所に。
しかしそれだけではなく、どこか色気のある、艶やかな感触が全編に漂っていたのが印象的だった。攻撃性と滑らかな質感の多重奏は、次第に大きなうねりとなってどんどん聴衆を引き込んでいく。この手腕はさすがだと思った。熟練した職人のようだった。
最後は女性Voのサンプリングを使った美しい曲で締められたが、このメロディーライン、なんか聴き覚えあるような気もするけどなんだっけ?と後日ツイートしたら、ゴストラ先生直々にこの曲だと教えていただきました!
ほんとに素晴らしいセットで、陶酔いたしました。どことなくエレガントな感じもあって。また見たい!

◼︎GOTH-TRAD↓




こういう形式のライブは、転換が早い!最後のJK FLESHもすぐに始まった。
去年のJK FLESHはソロなのにいつもの向かって右側でやっていたが、今回は真ん中で。それに去年と違ってギターがない!
「ギターを弾くJustinが好きなのに~」と思ったが、それはすぐに間違いだと気付かされた。

名古屋でJustinから今回は新曲をプレイすると聞かされていたが、旧曲と半々くらいのセットかな~、と思っていたらなんとほぼ全曲新曲!いやほぼじゃなくて全部新曲だったかも。
去年は緑色のウインドブレーカーのフードをすっぽり被る「JK FLESHスタイル」だったが、今回はデニムシャツを首元までキッチリボタンを留めていた。
ラップトップとシンプルなエフェクター類という機材は去年とあまり変わらなかったが(いや去年よりシンプルだったかも)、クールな佇まい。ハックフィンであんなに熱く演奏していたのが嘘のよう。
去年のJK FLESHもクールな感じではあったが、時折ロックっぽさを感じさせるアクションがあったり、絶叫ヴォーカルもあった。

しかし今回はヴォーカルもギターもアクションもなし、あえてそういうロック的な要素を排除し、淡々とクールにプレイ。
音は以前よりもずっとダンスミュージックに近づいた感じで、重くザラついたビートなのはやはりJustinらしいが、ヘッドバンギングよりも腰が動いてしまう!
以前のJK FLESHは、ダブステップ的サウンドを取り込みながらもやはりどこかにロック感があり、打ち込みとロックのGodfleshと多少方向性が被る部分もあった。しかしそこはさすがJustin、プロジェクトごとの違いをよりハッキリさせる事にしたようだ。

前半はクールにラップトップの画面を覗き込んでいたJustinだが、後半、だんだん場内の熱気がヒートアップしてくると、頭フリフリ。観客は重量級のコンクリートビートに踊り狂う!
明らかに今までのJK FLESHとは違う、第2章のスタートを、この目で目撃する事が出来てほんとにラッキーだった。わざわざ名古屋から帰ってきてよかった!
この新しいJK FLESHのセットは多分世界で初めて東京でプレイしたと思うし
(今年1月のベルリンのCTMフェスティバルにJK FLESH名義で出演したが、その時の写真は去年の東京と同じ緑フードでマイクを握っているので、今までのセットと同じだと思われる)、生で初めて聴いた、それほど大勢ではない( ;´Д`)聴衆の一人だった事に興奮する!東京にいたのにこれを見なかったJKBファンはほんとにもったいない!

我を忘れてガキゴキハイパーダンスビートに踊り狂い、汗だくで最高潮に達した所でライブ終了。Justinペコリとお辞儀して退場。ほんとにかっこよかったので観衆は拍手を続けてアンコールを待つが、残酷にも明かりが点いてBGMが。まぁこういうセットの場合はアンコールとかないか~。

JK FLESHの新作は今年11月のリリースを予定しているとJustinが言っていたので、これは本当に楽しみだ!今までの作品よりも相当ダンサブルになっているはず。早く聴きたい!

◼︎JK FLESH↓











↑今回はこういう「後ろを向く」というアクションがw




ライブ終了後、外に出てフォロワーさんとちょっとJustinを待ってみたのだが、時間切れで残念ながら退散。
O-WestのV系の物販を下でやっていたので、その客が溢れかえっていて、Justinも出にくい雰囲気だったと思う。出て来た所で「誰あの外人」扱いだよ( ;´Д`)
名古屋からちゃんと見に来たよ!とJustinに報告したかったんだけど~!


後から思い返して、まだまだたくさんJustinに聞いてみたい事があったんだけどな。まず、

・今年と来年、GodfleshはシカゴのCold Waves Festivalと、シェフィールドのResistanz Festivalの二つのインダストリアルフェスに出る。今までは大きなメタルフェスや、doom/experimental系のフェスにはよく出ていたが、インダストリアルフェスには出た事はなかった。これはやはり、彼らは自分達をインダストリアルバンドだと認識しているからなのかどうか、是非聞いてみたかった。

・Justinのレーベル、Avalanche Recordingsの名前は、Godfleshと同じくロック界の頑固なドラムマシン使いである、Sisters of Mercyのドラムマシン「Doktor Avalanche」にちなんだものなのかどうか。でもJustinが特にSistersが好きだとかいう話は聞いた事ないしな~。これ、ずーーーーっと昔から気になってる事。

・Bennyのアルバムのクレジットはずっと「G.C. Green」だったが、"Decline and Fall"以降は「B.C. Green」になっているのはなぜか。みんなBennyって呼んでるからかな。

・アルバムジャケやライナーに映画のスチルをよく使っていたり、ライブでのバック映像にアート系のサイレント映画を使っていたりと、どう考えても映画好きと思われるが、その辺について語っているインタビューはあまり読んだ事がないのでいろいろ聞いてみたかった。

・それと、"A World Lit Only by Fire"にTed Parsonsのドラムを入れたリミックスアルバムが出る予定だと以前Justinが言ってたが、このリリース日を聞くの忘れた!
あとTechno Animalの版権がJustinとKevinに戻ってきたので、少なくとも再発はする予定だというのをTwitterでファンに返信しているのを見たが、この具体的な事も聞けばよかった!

他にも後から後から聞いてみたかった事が出てくるな~。

とにかく、最高のライブ2本と、Godfleshの二人と話せた、という素晴らしい数日間だった。
前回のGodflesh来日は、Godflesh復活を宣言するような内容だったが、今回は明らかに彼らが過去を再現するだけのバンドではなく、依然進化し続けているバンドだという事を見せつけられた。これが何より私がGodflesh/その他数多くのJustinのプロジェクトが好きな理由だ。

2年は見られないのは残念だが、次の展開を心より楽しみにしている。
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Godflesh / Endon at Huck Finn, Nagoya (7/18, 2015)

2015年07月28日
Godflesh6.jpg


去年の今頃、JesuJK Fleshで東京に帰り(2往復)、Justinにも会えて幸せいっぱいでこの1年間を過ごして来たが、なんとたった1年でまた戻ってきてくれるとは!今回は待望の単独ツアーで、東名阪!名古屋に来てくれるなんて~。
かなり前にJustinがFacebookで7月にジャパンツアーがある事は公表していたのだが、去年のようにイベントなのか、単独なのかは分からなかった。イベントだったらまた東京だし、とちょこちょことGodflesh貯金に励んできたw

蓋を開けてみたら単独東名阪ツアーで、サポートがEndon!これは理想的。名古屋はうちからチャリ圏内の今池ハックフィンだし。
名古屋公演があるなら東京はなしで、代わりに大阪も行こうかと思っていた。大阪なら日帰り可能だし。
…と思っていたら、またまた去年と同じくJK Fleshのエクストラショウが!こりゃやっぱ行かねばなるまい。平日だけど夏休みなので娘は連れて行けるし。

しかーし、予定外の出費をする必要に迫られ、東京行きは金銭的にかなり厳しい事に。
まぁこの調子だと毎年来そうな感じだし、去年からJK Fleshの新作は出てないし、今回はパスしようか…(贅沢にすっかり慣れてしまった!)、名古屋公演がめちゃめちゃ良かったらそこで考えよう、と7:3くらいで行かない可能性の方が高い状態でライブ当日を迎えた。
それが、あんな展開になるとは…w

チャリをいつも買い物してるダイエーに停め、いざハックフィンへ!
中に入ると黒T男子ばっかだよ!入りはまぁまぁか。
さて、ドリンクを…と思ったら、ドリンクバーの前にGodflesh二人が!!!Justinは私のGodflesh Tシャツに目を留め、笑いかけてくれた。ど、どうしよう、話し掛けに行こうか…ふ、震える…うわぁぁぁ~!
などとグズグズしてたら二人とも出て行ってしまった。ヘナヘナヘナ~( ;´Д`)

今回の名古屋公演は、メンバーのたっての希望だとDaymareのツイートにあった。7、8年前の名古屋クアトロガラガラのExtreme DojoでのJesuはトラウマになってないのか…( ;´Д`)
今回のハックフィンは小振りなパンク箱だし、ガラガラよりはいい。
この箱では、名古屋に来たばかりの頃にUnsaneを見ている。UnsaneとGodfleshがやった事のある箱が、私のガチ生活圏にあるなんて~。

さて、サポートのEndonスタート!彼らは去年のJK Fleshで初めて見たが、凶暴なグラインドノイズという感じで非常に良かった。
あれからライブを重ね、彼らは一回り大きく成長したような、貫禄のステージングだった。オープニングのバリッとしたノイズが、否が応でも期待を盛り上げる。
彼らはVo、G、Ds、ノイズシンセ×2というちょっと変わった編成でベースレス。こういう編成が単なるグラインドコアじゃなくてノイズ寄りっぽくていいよね!
ステージは阿鼻叫喚のノイズ地獄!ノイズにもクールなノイズやトリッピーなノイズといろいろあるが、Endonのは威嚇するノイズ!ドーパミン出まくって観客も熱狂の渦。激しいドラミングと咆哮するVo、キレッキレの動きのG、嵐のように会場をグチャグチャにして、観客をねじ伏せて去っていった。迫力は去年よりも大幅に増し、大層かっこよくなっていた。
彼らは長らく過去リリース作品の管理のみだったHydra Head Recordsの復活リリースとして”Mama"を出すそうで、ワールドワイドな活躍が期待できる。日本を代表する凶暴バンドとして、世界を荒らし回ってほしい。

■Endon↓

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さて、Endonが終わって転換タイム。定位置の右側へ。いつもJustinは自分でセッティングするのでそろそろかな~と思っていると出てきた。と思ったらBenny(G.C. Green)も!
それからほどなくライブ開始!新作「A World Lit Only By Fire」の”New Dark Ages"でスタート!
事前に4月のミラノでのライブを見ていたのだが、Justinはこの時着ていた「SYK」っていうのと同じTシャツ!昨日の東京公演でもこれを着ていたけど、洗ったよねw ミラノではBennyもこれを着ていて、おっさん二人のペアルックに笑ったw
SYKはイタリアのグラインドノイズ系バンドらしく、Facebookページ発見。Godfleshのイタリア公演でサポートをやったらしい。サポートバンドのTシャツを着てくれるって、なんていい人達なんや!しかも日本に来てまで!

ハックフィンはギュッと詰まった感じの音が鳴る箱で、この日の音響技師の人は名古屋最強のとの事だったが、音の塊感がすごい!海外の記事ではよく"monolithitic"(一枚岩のような)と形容されるGodfleshだが、スピーカーから巨大な岩石がガンガン飛んできて、腹にズンズン突き刺さるような、ズシッと重量感のある音はすごかった。"New Dark Ages"の尖った重いリフが、塊になって私達を襲う!一気に会場の温度上昇!
Bennyのどっしりとしたベースが重い重いグルーブを生み、Justinのギターがザクザクと闇を切り刻む。そしてJustin吼える!これだよこれ、やっぱりGodfleshが一番好きだ。本当に大好きだ。
そして"Deadend"、"Shut Me Down"と前半は"A World~"からの曲が続く。"Shut Me Down"は新作の中で私が一番好きな曲で、ヒップホップビートがたまらない。これはやっぱりPublic Enemyの"Shut'em Down"にかけたんだろうな~。
そして"Life Giver, Life Taker"、"Carrion"と続く。この辺の曲って、なんか変な言い方だけどGodfleshが解釈したロックンロール感があると言うか、「重い!とにかく重い!」っていうGodfleshのイメージを軽やかにかわすような、そんな抜け感があって好きだ。"Carrion"後半のギターソロ(っていうのもGodfleshにはなんだか合わないけど)の、ブォォォン!と鳴らすアクションがめちゃめちゃかっこいい。

新作の曲は"Tower of Emptiness"で終わって、後半からは人気曲のオンパレード!"Christbait Rising"のイントロが始まるとものすごい盛り上がり!みんな頭を振りまくる。
続いて”Streetcleaner"のイントロのサンプリング(これはレクター博士のモデルとなった大量殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスか、ジョン・レノンを殺害したマーク・チャップマンの声だと言われているが確証はなし)が流れるとさらにヒートアップ。
そして"Spite"の次は"Crush My Soul"で最高潮に!Bennyの弦をベンベンと叩く奏法は相変わらずかっこいい。
これで一旦ステージを去り(律儀にペコリペコリとお辞儀)、アンコールは"Like Rats"!熱狂は留まる所を知らず、みんな重いうねりにに身を任せる。
2012年のGodflesh初来日のステージもすごかったが、今回のライブはちょっとあり得ないくらいすごかった。かっこいいのは当然だけど、脳から何か出るような、至高体験とでも言うんですか?Godfleshのサウンドには催眠性があるのが他の重量級バンドとは違う所だけど、トランス感とうねるグルーブに乗る気持ちよさと、ガシガシ攻められる感覚と、ありとあらゆる感覚が渦になって飲み込まれ、音と溶け合って一体化したような。酒も大して飲んでないのにこんなにトリップ出来るライブはちょっとない。私の人生でベストの一つと言えるライブだった。

Set List
1. New Dark Ages
2. Deadend
3. Shut Me Down
4. Life Giver, Life Taker
5. Carrion
6. Towers of Emptiness
7. Christbait Rising
8. Streetcleaner
9. Spite
10. Crush My Soul
-encore-
11. Like Rats

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さて、圧巻のライブも終わり、外に出た。自販機で飲み物を買い、もしかしたら出てくるかも~とダラダラしていたら、あらららすぐにGodflesh二人が出てきた!こ、これはチャーンス!去年のJK Fleshの時はほんとに不意をつかれて心の準備が出来てなかったのでパクパクするだけだったが、今回はハックだし会える可能性も高いとサイン用のペンとCDも持ってきたw
JustinとBennyはビール片手にいろんな人達と談笑していたので見守る。イギリス人らしい男性もいて、「どこから来たの?」「ニューキャッスル!」とか話していた。二人は写真にもサインにも嫌な顔一つせず快く応じていた。

今回は名古屋なので友達もいないし(;´Д`)私は一人だったが、ふと見ると私と同じように他の人達がJ&Bと話し終わるのを静かに待っている女の子二人組が。私のポスカを見て「それあとで貸してください!」と言うのでもちろんもちろん♪こういう時、女の子(私は元ですよ~だ)の団結心は強い。チームを組んでの連係プレイ。
他の人達がいなくなったので、いよいよ私達の番!彼女たちは東京から来たらしく、一人は昨日買ったらしいGodfleshのTシャツ。彼女は本当にまるで去年の私のようで、JustinとBennyを目の前にしてテンパリ最高潮w もう一人はクールに落ち着いたセクシーお姉さんで、英語もわりと話せたので彼女と私で会話を進行。
まず、Bennyに持参した”Slateman"のシングルCDにサインしてもらった。ポスカの色がなかなか出ないので、Bennyに「押してみて」と言ったらCDの端で押したので、バキッとCDケース破壊w Bennyは「ご、ごめん・・・・」と謝ったが、作った本人に壊されたらそれこそ本望。Justinにもサインをお願いしたら快諾。
テンパリの彼女は、JustinとBennyに着ているTシャツの背中にサインしてもらっていた。もう洗えないぞ~w

それから、結構長い間Godfleshと女子3人でおしゃべりタイム!うぉ~、信じられない、Godfleshとおしゃべりしてるよおい!!去年は全くダメダメだったが、今年はさすがに腹も据わって、毎日Huluで海外ドラマ見て英語力の向上に努めてきたおかげで、一応会話はちゃんと成立していたと思う。
Justinは快活に楽しげに話すタイプで、Bennyは物静かに温かく語るタイプ。二人とも私達とのおしゃべりを楽しんでるような態度でいてくれて、超ベテランなのにファンを大切に扱ってくれるこの姿勢には感動ものだ。
以下、二人の人柄が出来るだけ伝わればと、トピックごとに思い出してみました。あとただ「私、ファンなんですぅぅ~♪」なんて会話じゃ満足できないので、ファンのみんなが知りたい事や、音楽についてつたない英語で聞いてみました。

・まず、Justinは日本の梅雨時(当日まだ名古屋は梅雨明けしていなかった)のこの蒸し暑さに相当堪えていたようで、「この張り付くような蒸し暑さ(Justinは"stick"という単語を使っていた)はほんとたまらんわ~」と言っていた。
「でもね~、2月にSoundwave Festivalでオーストラリアに行った時は、42℃の中、オープンエアでのライブだったんだよ。強烈な直射日光で肌が灼けるようだった」
他の二人がSoundwaveと言ってもピンと来なかったようなので(私は当然ガッツリ知っているw)、Justinは「オーストラリアのすごく大きいフェスティバルでね、SlipknotとかFaith No MoreとかSoundgardenとかSmashing PumpkinsとかMarilyn MansonとかFear Factoryとかビッグなバンドがいっぱい出ててね~。まぁ僕たちは小さいステージだったんだけどねw」

・Soundwaveの話が出たので、私が「Soundwaveのサイドショウで、GodfleshはMinistryと共演しましたよね?!」と言うと、Justinは「そうそう、あれはほんとに最高だったよ!Al Jourgensenとはすごくいい友達になったんだよ」
私が「あの共演はインダストリアルファンにとっての夢です」と言うと、Justinは「君はインダストリアルファン?Skinny Puppyとか好き?(私うなずく)」
インダストリアルの話題になったので、さらに「今年、シカゴのCold Waves Festivalに出ますよね?」と振ってみると、「あれすごいよね~、Front Line AssemblyとかSevered Headsとかいっぱい出るよね~。Prurientはほんとにすごいヤツでさ(私深くうなずく)、今回も日本に一緒に連れてこようかと思ったんだよ(!!!!!!)。でも長いフライトは嫌だって言われちゃったw」
JustinはPrurientを非常に買っている様子。私も彼は現在のインダストリアル/ノイズでは最高水準の作品を出していると思うので、今度は是非連れてきて欲しいとお願い。

・フライトの話から、Justinは「今回は11時間のフライトだったんだけど(Justinはマンチェスターから)、オーストラリアに行った時は26時間もかかったんだよ!Bennyは今トルコに住んでてね~」
ここで一同「トルコォォォ????!!!!!」
Benny「イスタンブールに住んでるんだ。とても美しい街だよ」
Daymareのツイートで、なぜJustinとBennyが違う便で来たのか謎だったが、これで解明。私もイスタンブールには前から行ってみたかったし、イスラム美術が好きなのでもっとBennyと話せばよかったとあとから思ったが、この時はトルコに住んでるという衝撃の告白にびっくりでw

・話題は21日火曜のJK Fleshのエクストラショウについて。Justin「明日は大阪に行って、翌日東京に戻ってきて、火曜はJK Fleshのライブやるんだ。来る?来てよ~♪」
私「ほんとに行きたくてたまらないんだけど、子供がいるんです~」
Justin「え?子供?(この言葉に食いつくw)僕にも子供いるんだ♪」
とiPhoneを取り出し、カメラロールを見せてくれた!中身は息子さんのベンジャミン君ばっか!ロック画面はInstagramにもアップしていたこのベンジャミン君だったw↓




みんなでキャーかわい~!と騒いでいると、Justinは満足そうw 見せたくて見せたくて仕方ない感じw ほんとにミニJustinみたいでめちゃめちゃかわいいもんね。Justinは「今4歳でね~、手のかかる子("annoying child"と言ってた)なんだ」
私が「この写真、Instagramで見た事あります」と言うと(実はこの写真が私のカメラロールにも入っているという気持ち悪い事実はおくびにも出さずw)、「あ、Instagram見た?!」と言ってなぜかこの写真を見せてくれたw↓




みんなで「わ~、かわいい~!あなたのネコ?」と聞くと、Justinは「う~ん、そうだったらいいな~って(*´∀`)」
JustinがInstagramでこのネコのアカウントをフォローしているのは前から知っていたが、他のフォローは知り合いのミュージシャンばかりなので謎だった。ネコ好きなのか?っていうか、いきなり全くの他人のネコの写真を私達に見せるというのがよく分からないw
で、思った。これが噂に聞く「Justin妖精説(または天然)」なのだ!

去年会った時も、めちゃめちゃ優しそうでなんて柔らかな雰囲気の人なんだろう、と思ったが、今回ある程度話してみて、なんとなくどういう人なのか分かった。
Justinはもういいおっさんだがw、どこかピュアな少年のような空気をまとっている。なんかかわいらしいんだよねw 一度会ったら、好きにならざるを得ないような本当にチャーミングな人だ。すごく背は高いけど(190近いんじゃないかな?)、繊細で好奇心いっぱいの少年が中にいる感じで、独特の時系列にいるような発言が天然爆発。今回もこんな発言w↓




Justinはキャリアのスタートが10代前半っていう超早いものだったから、今までいろんなバンドやミュージシャンとやって来たけど、いつも一番年下だった、とインタビューで言っていた。Bennyも5つ年上だし、ずっと弟キャラみたいだったんじゃないかな。Bennyも静かにJustinを見守ってるような感じだった。SNSでやり取りが見えるんでなんか感じるんだけど、Kevin MartinもTed Parsonsも、繊細で恐ろしい程の才能に溢れる弟を見守ってるような所が。
JustinとBennyはほんとに仲がよくて、二人で勝手にキャッキャ盛り上がってる程w ファンはバンドのメンバー同士は仲が良くあってほしいと思うものだが、彼らの仲の良さは端から見ていてとても和む光景だった。
JK Fleshの話をしていて、Justinが「こんなアクションをやってさ~」みたいに去年のステージでのマイクをアンプにガッと当てるのを実演していたので、多分あれ気に入ってると思うw

・上の発言でも言っているが、Justinはハックフィンをとても気に入っている様子だった。音がとても良いとほめていた。
「名古屋には来るのは2回目だよね~。前に来たのは、『イェイズー』の時で・・・」と言っていたが、『イェイズー』がJesuの事だと理解するのにちょっと時間がかかってしまった(;´Д`) イェスーではなくイェイズーです。これが正しい発音です。で、「あ、それ私行きました!」と慌てて答える。別にガラガラだったとか言ってなかったので、そういう事気にしないっぽいw

・さて、ここでちょっと取材っぽく今後の予定を聞いてみた。
まず、次の来日はいつ頃になるのか聞くと、2年間は空いてしまうとのこと。「今回はGodfleshで、あと他にもいろいろやる事があるんでね~、どうしてもそれくらい空いちゃうんだ」
あああ、毎年来そうな勢いとか言ってた私がバカだった!贅沢は敵!

それと、JK Fleshの次のアルバムは出るのか聞くと、今年の11月にリリース予定との事!火曜のJK Fleshでのライブでは新曲をプレイするそうで、今までよりもずっとテクノ/インダストリアル寄りの音になるそう。
あと今回のJK Fleshのライブでは、フードは被らないそうなw

で、Justinに「火曜来てよ~♪」と直々にお願いされるともうたまらん!2年来ないし新曲やるし!世界一好きなアーティスト本人に来てって言われたら、そりゃもう断れないべ~(;´Д`)
とにかく「なんとか行けるように頑張ります!」と伝える。頭の中ではいろんなお金の計算が始まるw

そんなこんなでかなり長い間話していて、私達が切り上げるまでいつまでもいてくれそうな雰囲気だったが、さすがに申し訳ないのでお礼を言って別れる。私が"Thank you so much!"を連発して、最後に「ひゃ~!」とガッツポーズをすると二人ともニヤニヤw

Asakoさん(@coldburn123)が投稿した写真 -




↑信じられませんGodfleshの二人に挟まれています!

autograph.png

↑Bennyに破壊された、二人のサイン入りのSlatemanシングルw


この夜は私の生涯最高の夜であった!
ライブは神ライブだし、二人と話せて、しかもめちゃめちゃ楽しくおしゃべり出来たし。もう思い残す事はない。
いや、JK Flesh見に行かねば!


追記 :
私達がJustinがサインを頼まれてたくさん書いているのを待っていると、一人の男性がやって来て「この中に(Twitterの)Type O NegativeアイコンのAsakoさんっています?)と聞かれた。なんじゃそれ!
で、私がそろそろと手を挙げると、ニヤニヤして「いや~、Justinに会えてよかったな~と」。そして去る。
え~、なにこれなにこれ、あなた誰?!

……と「???」だったのだが、後日InstagramでGodfleshのハッシュタグを見ていたら、この男性がどうやらEndonのVoの人らしい事に気付いた!!
ぎょえ~、ライブ2回も見といて分かんなくてほんとすいません( ;´Д`)
だってステージでは凶暴な裸の大将みたいなのに、私服はなんかポップでかわいいカッコしてるし、サングラスで全然雰囲気違うんだもん!!

ほんとすいませんでした~m(_ _)m

あれから5年…

2015年04月14日
今年も4月14日がやって来た。今年はPeter Steeleが亡くなってから5年、という一つの節目の年。

なんかPeterの命日絡みでType O Negativeのアップデートを毎年やってる気がしますが、年一回じゃなくてもっとやらねば( ;´Д`)

ということでTON関連情報です。

まず、前々から出るとアナウンスがあったJeff Wagner氏(元Metal Maniac誌の編集者で、現在はメタル系ライター)によるPeterの伝記「Soul on Fire - The Peter Steele Biography」ですが、去年のハロウィンにまず電子版が出ました。12月に入ってから、通常の印刷版も出ました。

この本は普通の流通に乗るようなものではなく、この本のために作られたサイトでしか買えません。まぁ自費出版ですね。そういう所でクレジットカードを使うのはちょっと怖いので、PayPalで払おうとしたのですが、私のPayPalアカウントがゴタゴタしていて未だに使えないので(メールアドレスが変わったので変更しようとしたら、その手続きが驚くほどめんどくさくて、なんだかんだで解決してません)まだこの本は読んでません。

ま~、でも、なんというかこの著者と本、なんか胡散臭い所があるんですわ。

まずこのレビューを読んでみた所、送料や関税と称するものがやたら高いらしい。この人はヨーロッパに住んでるようですが、印刷版を買うと$74.97にもなり、電子版を購入したそうです。
彼によると、文章がセンチメンタルで大仰らしい。また、「彼(Peter)は思った」みたいな記述がすごく多いらしい。「なんでお前が知ってんねん」みたいな。例えば、Peterが彼の最後のクリスマスに教会に行った場面で「お前そこにいたんか?!」と突っ込みたくなるような記述だらけとか。
そんな感じで本としてのクオリティには疑問が残るようで。

また、当初この本の執筆に際して、著者はPeterの家族(お姉さん達)の全面協力を受けていたと言っていたのですが、ハロウィンの一ヶ月くらい前になって突然、この本のFacebookページで、「Peterの家族が最終章の出版を許可しない」と投稿(現在はこの投稿は削除されている)。なんとなくPeterの家族に対して敬意が感じられないようなコメントが目立ったので、一時結構荒れたりして。
Peterの家族もブログで「今後一切ワグナー氏には協力しない」と書いてます。

また、TONメンバーはこの本には一切関わっていません。

まぁそんな感じですったもんだあってどうなることかと思いましたが、とりあえず出版されました。

出版後、ワグナー氏は頻繁にFBで宣伝していたのですが、今年の2月、「TONの新作が存在する!詳しくはこの本で!」というような事を投稿(これも現在は削除。この人ヤバそうなのはすぐ削除)。これまでこの本については沈黙を貫いてきたTONメンバーですが、さすがにこれには黙っていられなかったようで、JohnnyがFBにコメントを投稿

Johnnyはこの本のFBページに何度もコメントしようとしたけど、どうやらブロックされているようで投稿出来なかったらしい。
ワグナー氏はメンバーがこの本に協力していない事について、「ドアは開かれている。いつでも歓迎します!」とか言ってたくせに、メンバーをブロックってどういう…
まぁ以前からこの本に対してネガティヴなコメントは削除されているような感じがしていたので、驚きはしませんでしたが。
あ、当然ながらTONの新作なんて存在しないそうです。

ワグナー氏は10代でCarnivoreのファンになって以来のガチType O Negativeファンという事らしいですが、なんかやり方にモヤモヤしたものが感じられて。

とは言え、この本には知られざる事実もいくつか載ってるらしい。
あれだけアイスランド系であることを誇りにしていたPeterが、実は全くアイスランドの血は受け継いでいなかったとか( ;´Д`)
Vinnlandの旗は何の意味もないじゃ~ん!なんだよPeter!
Peterはおじいさんがスターリンの遠縁だった、とインタビューで言ってたけど、これも怪しいなw

こういう事実については読んでみたいけど、半分詐欺みたいなやり方する人にお金落とすのも…
まぁPayPal復活させてから考えます。



さて、Peterの伝記以外にも動きはいくつか。
Johnnyは相変わらずたくさんのバンドで世界中をツアーしてます。特にDanzigとKill Devil Hillの活動が活発。最近、さらにSeven Witchesというバンドにも参加してるらしい。一体いくつ掛け持ちしてるのか、もう数えるのもめんどくさくなったw
SalとのA Pale Horse Named Deathは今はひとまず充電中。Salは曲作りをしてるんじゃないかと。
それから、KennyとのSeventh Voidはしばらく音沙汰がありませんでしたが、そろそろ再開させるようです。

Joshはもう音楽活動はしてないようですが、FBアカウントを発見!たま~にしか更新してないけど、相変わらずのユダヤ人ネタw 元気そうでなにより。



おまけ: 「Oz」という刑務所が舞台の人気ドラマに、Peterが一瞬だけ出てますw
http://youtu.be/O566PlfRbLQ
「Merry Christmas, motherfucker!」というセリフ付き。

leave them all behind 2014 Extra Show(Russian Circles, JK Flesh, Endon) @渋谷 O-Nest(7.15,2014)

2014年07月25日
7月12日のleave them all behind本編を楽しんで一回名古屋に帰り、エクストラ・ショウのJK Fleshのためにまた東京へ!ド平日なので子供の事とかいろいろバッチリと。名古屋-東京二往復+宿泊で、ほんとにもうスッカラカンだが、O-Nestみたいな小さい所でJustin K. Broadrickが見られるなんて、世界的に見ても滅多にない機会。これはなんとしても行かんと。

東京に住んでいた頃、O-NestはDer Eisenrostが頻繁に出ていたり、その周辺バンドも常連だったのでほんとによく通っていた。円山町のこの通りに来たのは10年振りくらいではないだろうか?渋谷は変わったというけれど、この辺はTSUTAYA資本が入った以外はそれほど変わってないような。
でも久し振り過ぎて、Nestへの入口忘れた(;´Д`)

今回のチケット、発売直後でもないのに私の整理番号は2番・・・(汗) ガラガラだったらどうしようと思ったが、開けてみればほぼ満員状態。土曜のltabに行った人が、直後に一気にチケット買ったのかな。

さあ、いよいよライブスタート!一番手は東京最狂とのふれ込みのEndon。事前にライブ動画を見たら、グラインドコア+ノイズみたいな感じで、メンバーの人が写生の時に使う画板みたいな謎の楽器(自作のようだ)をかき鳴らしていたので、これはヤバそうだと期待していた。
バンドはVo、G、Dsと、ノイズ担当の人が二人という変わった編成。ズドドドドドと激しいグラインドで攻めて来た所に、耳をつんざくノイズの応酬!おっかなそうなVoの人は、檻の中の熊みたいにステージをグルグルノシノシと歩き回り、睨みを利かせて絶叫!これはテンション上がる!かっこいいぞ!
ライブ後半で、さっきの画板みたいな楽器を向かって右側のノイズ担当氏が使っていた。ギターの人はVoの人に比べると普通っぽい見た目(服装も綺麗め)なのだが、アクションキレッキレですごい。終盤になるともうイッちゃってるw
とにかくこのバンドはブチ切れててカオス!かっちょいい!今回のltab出演の日本のバンドでは一番気に入った。近々1stフルアルバムを出すそうで、限定リミックスEPはなんとJustin K. Broadrick様とVatican Shadow(a.k.a. Prurient)によるものらしいので、期待しちゃうぞ!

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↑Endon


さあ、次はお待ちかねのJK Flesh!今回はソロなので、真ん中でやるんだろうなと行きやすかった左側最前近くでスタンバイ。そしたらGodfleshやJesuの時みたいに、いつもの右側に機材をセッティングしてる!なんで一人なのに隅っこでやるの~?!あそこが落ち着くのだろうか。遠い所に陣取っちゃったよ(;´Д`)
しばらくするとJustinが赤いお酒(カシスオレンジ?)を片手にセッティングに出てきた。服はJesuのステージで着てたみたいな半袖シャツ。
一旦引っ込んで、再びステージに出てきた時には・・・・・・あああああ!!!!緑色のウインドブレーカーを着て、フードを被っている!フードだよやっぱフード!JK Fleshの時はフードがお約束なのね。緑でカエルちゃんみたいだよ!w

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↑カエルちゃんで~す

フードを被ってJK Fleshに変身したJustinの顔は口元しか見えないが、引き締まった口元は非常に凛々しい。ステージにはラップトップとエフェクターの載った机が右側にと、あと真ん中辺にギター。
Prurientとのスプリットの"Fear of Fear"でライブスタート!地を這うような重量級のノイズが溢れ出し、不穏な空気が会場を満たす。Jesuとはまた違う、「dark side of Justin Broadrick」が解き放たれた!
Justinはラップトップやエフェクターを操りつつ、ハンドマイクを両手に持って、全身から怒りを絞り出すように絶叫!GodfleshでもJesuでも、Justinはいつもギターを持ってスタンドマイクだから、こういう風に両手でマイクを持つ姿は非常に新鮮!めちゃくちゃかっこいい!

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時々ギターに持ち替えていたが、プラグを抜き差しする時に出た「コン」っていう音にディレイがかかって、「コン・・・コン・・・コン・・・」となっていたw

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こういうノイズ系のラップトップを使ったライブは、「机に向かって黙々と作業」という風になりがちだが、Justinはエフェクターのスイッチ押したりするのもいちいちかっこよくて、ちゃんとアクションで魅せるのがさすがだ。特にかっこよかったのが、ハンドマイクを持った腕を後ろにガッと伸ばして、アンプに向けてフィードバックを出すアクション!これ最高だった!↓

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バックスクリーンにはもろ「バーミンガム」なインダストリアル的映像と、古い白黒映画(サイレント?)が映し出されていた。20年代か30年代っぽいドレスの女性と男性が出てくる映画だったが、あれは何だろうか?”Streetcleaner"のジャケはケン・ラッセルの「アルタード・ステーツ」のスチルだったり、”Marciless"のジャケは1943年の実験映画"Meshes of the Afternoon"のスチルだったりと映画に詳しそうなJustinなので、これも何かカルト的なものなのかも。
演奏した曲はちょくちょく知らないようなのがあったのだが、後でセットリストを見たら、未発表曲やWhite Static Demonの曲をやったようだ。ライブ前にバックスクリーンに「JKF VS WSD」という文字が映し出されていて、(JKFはJK Fleshだと分かったが)「WSDってなんだろ?」と思っていたが、White Static Demonの事だったのね。
不安、恐怖、荒廃、といった負のワードばかり浮かぶJK Fleshのサウンドは、Jesuでの透明感とは好対照だ。この二面性を併せ持ってこそJustinだ。地を這う重いビートとうねりとぐろを巻くノイズの渦をギターで切り裂き、絶叫で身体性を持たせたJK Fleshの音楽は、ささくれた都会に潜む人間そのもの。凄みのある混沌で、素晴らしいライブだった。大満足!とにかく何から何までかっこよかった!

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おまけ:ライブ後のお片づけ中のJustin。急に優しげな顔になるw↓

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今回のleave them all behind 2014のセットリストや写真、動画はこちらのJKBファンTumblrにバッチリ載っていますので、是非どうぞ。


JK Fleshの最高にかっこいいライブの興奮も冷めやらぬ所だが、次は本日のヘッドライナー、Russian Circles!
12日のltab本編での彼らのライブですっかりファンになり、今回ヘッドラインということで前回よりも長くやってくれそうなので楽しみだ。

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前回もそうだったのでいつもこうなのだと思うが、彼らのライブの下から逆光で照らすライティングは非常にかっこいい。スモークを焚き、ビュービュー風を吹かせるので(これが結構寒かったがw)、嵐の中にいるような効果が出る。メンバーは白い光の中に浮き上がり、ドラマティックな効果抜群。
やはりヘッドラインという事でバンドの意気込みも違ったのか、前回のライブよりも遙かによかった。強風吹きすさぶような曲を次々に畳みかけ、大きなうねりとなって会場の空気を鷲づかみ!
タイトで雷鳴のようなドラム、ガッシガシと地響きするようなベース、変幻自在のギター、これらの鉄壁のアンサンブルが、異世界へと連れて行ってくれる。彼らの演奏は情景描写力みたいなのに優れているので、まるで映像を見ているかのようだ。
後で調べて分かったのだが、独特の雰囲気はフットペダルで操作しているループやサンプリングによるもののようだ。これの使い方がめちゃくちゃ上手い。「サンプラーいじってますよ」みたいなのがないので、自然にバンドサウンドに溶け込み、想像以上の効果を出している。
やはり前回より長くやってくれたので、十分満喫する事が出来た。アンコールでやった曲のイントロで歓声が上がったが、これは初期の”Youngblood"という曲のようだ。
壮大でドラマティックなサウンドでありながら、決してウェットにはならない所が非常によかった。これが私には一番大事。
あまりにライブが素晴らしかったので、帰りに物販で最新アルバムの”Memorial"を購入。JKBは置いといて、今回のltabでの一番の収穫はRussian Circlesだ。名前と大体の音は知っていたけれど、今回ライブを見なければ、それで終わっていた。すごいバンドを体験する事が出来てほんとによかった。

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さて、大満足の本日のイベントだったが、実はJK Fleshが終わった後でトイレの列に並んでいたら、いつもTwitterでおしゃべりしているフォロワーさんにバッタリ。事前にお互いGodfleshのTシャツを着ていくという事は言っていたが、列の前後でGF着てるんで「あれ、もしや?!」とw
彼はライブ前に外でJustinに偶然会って、写真を一緒に撮ってサインしてもらったそうで、「うわーうわー超うらやましい!」とそれらを見せてもらった。
すべてのライブ終了後、彼がちょっとJustinの出待ちをしたいという事で私も一緒に外で待ってみた。今日は終了時間が10時半過ぎと結構遅かったので、彼も電車の時間があるのでそれほど待てない(私は渋谷に泊まっていたが)。なかなか出てこないね~、と上のバーに戻ってみたが、バンドメンバーが来そうな雰囲気ゼロ。また下に戻ってしばらくウダウダしていた。すると・・・

「あれ、あの長身の人、Justinじゃ?!」
彼の言葉に振り向くと、20m程先に、じゃ、じゃ、じゃ、じゃすてぃ~~~~~ん????!!!!
JustinとJesuのDairmuidが二人でこちらへスタスタ歩いてくる!!!!!
私はもう頭が真っ白になり、(自分ではよく覚えてないが)キャーキャー叫んでたらしい。思わず両手を口に当てて、呆然としてJustinを見つめていたら、彼がニコニコしてこっちにやって来た!20年以上、ずーーーーっっと憧れていた孤高の人が、目の前にいて私に微笑みかけている!!!!
私はもう口をパクパクさせて、言いたい事は山程あったのに、胸がいっぱいすぎて何も言えなかった。Justinは私のGodflesh Tシャツを指さして「おお~」みたいに笑いかけた。で、握手してくれた!!!!神の手に触れた!!!!大きくて繊細な、芸術家の手だった。
私がアワアワしていると、アイビーさん(フォロワーさん)がJustinに「Photograph OK?」と言ってくれて、Justinはニコニコと「Sure!」
実はこの場にずっとDiarmuidもいたのだが、私の目には全く入っていなかった(;´Д`) アイビーさんがJustinと私と一緒に彼にも写真に入ってもらおうとしたのだが、スッとよけてくださった(大汗)。「この女、Justinしか見えてないな」とバレバレだったんだろう。本当に申し訳ない。JustinとDiarmuidはもう30年以上の付き合いだし、この辺は阿吽の呼吸なんだろう。紳士である。
アイビーさんに私のiPhoneを渡して、Justinと一緒にパチリ。結構たくさん撮ってくれて、ほんとにありがとう!
とにかくJustinにサンキューとだけなんとか言い、彼らはニコニコしてNestの中に入っていった。

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↑Mr. Justin Broadrick & Me !

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↑渋谷 円山町にて
JKB氏:「ちょっと疲れたね、どこかで少し休もうか」
人妻A子「あら、いいわね、早く二人っきりになりたいわ


もう、この瞬間以来、私はフワフワ感が止まらないw
Justinの手に触れて、隣に寄り添って彼の体温を感じたなんて!!!!!信じられない。
Justinはものすごく柔らかで穏やかな雰囲気を持った人で、心底優しい瞳をしていた。ずっと微笑みをたたえていて、そう、まさに今のJesuの音楽のような人だった。何とも言えない不思議な空気をまとった人で、誰でも彼を好きにならずにはいられない、そんなオーラを持っていた。

後日、Justinが彼のInstagramのアカウントにJK Fleshライブの写真をアップしていたので、胸がいっぱいで言えなかった事をコメントしてきた。アメドラ見て英語も勉強してきたのに、サンキューしか言えなかった自分が情けない。20年以上彼の音楽を世界で一番愛してきて、ライブも最高だったと、一応伝えられた。

それにしても、このミラクルはライブ前にもJustinに会った、アイビーさんの強運のおかげである!本当にSpecial Thanks to アイビーシラカバさん!一生忘れられない、私の宝物の経験になりました。
スッカラカンになったけど、やっぱり行ってよかった!

leave them all behind 2014(Jesu, MONO, Russian Circles, Cohol) @代官山Unit(7.12,2014)

2014年07月24日
およそ1年8ヶ月ぶりのleave them all behind!前回のltabではまさかのGodflesh来日!もう最高過ぎるライブに1年近くその熱狂が収まらず、熱病のようにJustin Broadrick関連のものを買い漁っていたのであったw
今回はJesuをヘッドライナーに迎え、私も前回以来の帰京となった。Jesuが来るだけでも大興奮なのに、今回はエクストラ・ショウとしてJK Fleshのライブもやってくれるとあって、これはもう両方行くしかない。しかし微妙に日にちが空いたスケジュールなので、名古屋-東京間を2往復、それぞれ一泊で、もう私はスッカラカンになったが、それに見合う、人生最大の素晴らしい経験をしたのであった!

今回のltabが迫った週は「最大級」という台風がやって来ていて、飛行機が飛ばないんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、意外とあっさり台風は弱ってくれて、無事Jesu入国。










7月12日は台風一過でカンカン照りのいい天気。新幹線に乗って、いざ東京へ!↑のDaymareさんのツイートに萌え死にw 前々からJustinは仙人みたいな人なんだろうな、とは思っていたが、妖精さんとはw きっと、ピュアで多少天然っぽい所がある人なんだろう。これとかw ↓ 愛されキャラなんだろうな。




代官山Unitに着くと、もうトップバッターのCoholが始まっていた。彼らは東京のポスト・ブラックメタルということで、事前に試聴した限りではDeafheavenみたいな感じの音だった。
3ピースで、スローで重く、アトモスフェリックなサウンドを大音量で奏でていた。まぁ厳密には、私個人はあまりこういう音が好きではない。ちょっとウェットな感じなんで。でも、演奏は思いの外タイトで、今後すごく伸びそうなバンドだ。フランスのレーベルと契約してアルバムが出るそうなんで、これからワールドワイドでの活躍が期待される。日本のシーンでもこういう音は人気があるし、ライブをどんどん重ねて頑張って欲しい。


次はシカゴのポスト・メタル最右翼というRussian Circles。今回Jesu以外の出演バンドは、先入観を持たないようにサクッと数曲試聴して傾向をつかんだだけにしておいたが、Russian Circlesは一番私の好みに合いそうだった。
彼らも3ピースだが、たった3人で演奏しているとは思えない、スケールの大きなサウンドで、一気に引き込まれる!
ヴォーカルなしのインストゥルメンタルなのだが、非常に空間を感じさせる音で、荒れ狂う海原を空撮で見ているような、そんなイメージのサウンドだ。
演奏はキュッと引き締まった硬質な音で、メンバーみんなすごく上手い。中でもベースがガッシガシいっててめちゃめちゃかっこいい!Pelicanと仲がいいそうだが、納得。Pelicanも好きだし。これはもう完全に私の好きなタイプの音だ。全身を音が包み込み、お酒も回ってきて超気持ちいい!久し振りのライブで、「ああ、これだよこれ!」と心の底から思った瞬間だった。
会場の空気も嵐のようにうねっているように感じ、一気に走り抜けた所で終了。もっと聴きたかったが、15日には彼らがヘッドライナーのエクストラ・ショウを見に行く事だし。15日はもちろんJK Fleshが目当てで、正直Russian Circlesを2回も見るのか(;´Д`)と思っていたが、意外や意外、次が非常に楽しみになった。ヘッドライナーだから今回よりも長く演奏してくれるだろうし。

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↑Russian Circles


次は日本はもちろん、海外でも非常に人気のあるMONO。彼らも前回ltabのenvy同様、何度かニアミスで見られそうな機会はあったのだが、今回が初めて。
最初、後ろの方で見ていたのだが、真ん中のベースの女性以外よく見えない。と、思うと時々彼女の横に髪の毛が見える。え、どういう姿勢で演奏してるの?!すっごい這いつくばってるとか?!といぶかしんでいるうちに、久々のライブなんで腰が痛くなってきた(;´Д`) Unitはバーカウンター付近にモニターがあるので、そこまで撤退。
モニターでステージ全体像が見えたが、ベースの女性の両脇は、ギター二人が座って演奏していたのが分かった。こういうバンドも珍しい。座って静かに演奏しているのかといえばそうではなく、めっちゃ熱く演奏している。だったら立てばいいのにと思うがw、こういう光景も珍しいので、これはこれで十分個性になる。
と、変な所が気になったMONOだが、演奏は凄まじかった。彼らもインストバンドだが、壮絶な世界が完全に確立しており、すごい説得力のある演奏でそれを表現し尽くしていた。彼らもまた、ちょっとウェットな所があるので私の個人的趣味には完全にははまらないが(スーパードライな女ですいません(;´Д`)、彼らがものすごい力量と個性を持っているのは十二分に分かった。これは海外でも人気があるのは当然だ。彼らにしか出せない音だ。
ベースの女性はキャミドレスを着ていて、前方男子ファンにはそれがまぶしかったようなツイートが結構後で流れてきたがw 外の階段の所にLad MusicianからMONOへ贈られた花があったが、あのキャミドレスはLadのものなんだろうか?オシャレさんね♪ Borisがヘルムート・ラングとコラボした、とかいうのを前に読んだことがあったが、日本の先鋭的なバンドとハイファッションがコラボするのがイケテる時代になったのね。


さあ、次はいよいよJesuだ。Jesuは2007年のExtreme The Dojo Vol.19での初来日を見ているので、2回目だ。Jesuが2回も日本で見られるなんて(プラス前回のGodfleshと、今回のJK Flesh含めてJustin4回!)、ほんとに信じられない。'90年代、孤独にひたすらGodfleshを極東の島国で聴きまくってた日々がウソのよう。もしJustinがJesuをやらなかったら、今のような若い世代から熱い支持を受けるなんて事にはならなかっただろう。
Justinはインタビューで『YouTubeでJesuの動画のコメントを見てると、16歳くらいのインディーキッズが「Jesu最高!超クール!」とか書き込んでいて、こんな40のおっさんの音楽に熱狂してくれるなんて変な気分になる』というような事を言っていた。しかし、JustinはGodflesh解散前後の神経衰弱から立ち直ったのは、こうした若い世代がJesuを支持してくれたからだ、と言っている。
私自身も、Twitterで若いJesu/Justinファンのツイートがいろいろ流れてくるのを見ていると(「Justin神!」とかねw あとGodflesh→インダストリアルで、知ったか聞きかじりインダストリアル情報があったりすると、インダストリアルヲタとしてはめっちゃニラニラするw)、Justin同様多少変な気分になるw Jesuをシューゲイザーの大御所扱いしたツイートを見た時には「そりゃねーだろ」と思ったりしたがw、Earache世代もポストメタル世代もどっちも魅了するのがJustinのすごい所である。(ただ、Justinは根本的にはノイズ・アーティストだと断固として思うのである!)

前置きが長くなったが、MONOが終わると私はステージ近くを目指して右側(JKB定位置)にスタンバイ!あれ、ドラムセットがない。もしかして今回ドラムレス?
スタッフがセッティングしてる中、やはり右側にJustinが出てきて自分でセッティング。Justinはいつも自分でやるのでその様子が見られるのも楽しいが、ライブスタートまで待ちに待って、「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 」というのはないんで、その辺はなんちゅうかw
そうこうしているうちにライブスタート!やっぱり今回はJustinとDiarmuidだけで、ドラマーなしのドラムマシンバージョンだった。Ted Parsonsじゃなくても、誰かドラムの人が来ると思っていたので(ライブメンバーでは複数のドラマーがやってるようだし)ちょっと意外だった。これはオーガニックなGodflesh編成だ。そのせいで今回のJesuはちょっとマシナリーなサウンドだった。でもJesuはやっぱ生ドラムの方がいいような気もするが(エレクトリックなJesuは別として)、まぁこれはこれで。
今回、低音がすっごいごっつくて、バスドラ音が「ドン!」と鳴るたびにお腹に「バフッ!」と来て、口から「ブホッ!」と出たw 口から謎の塊が出たのは初めてだw
ライブは"Your Pass to Divinity"でスタート。バックスクリーンには、水の流れる様や葉の揺らめきなどの美しい自然の映像と、ガサガサした都会や人工物の映像が交互に映されていて、現在の拠点の北ウェールズと、原点のバーミンガムのどちらにも強く影響されているJustinの内面を表しているようだ。
ちょっと音のミックスの調子が悪いようで、Justinのヴォーカルがかすれたように聞こえたり低音が安定しなかったりで、Justinはちょこちょこつまみを調整していた。後半にはそれも解決したようだった。

7年前のJesu初来日では、それはそれはヘヴィな音で、Godfleshの重さがなくなってしまったのではないか、という不安はすっかり消えた。
しかし今回は演奏する曲も、Jesuのトレードマーク的なクリーンでギターの響きを重ねたサウンドのものが多く、初来日のライブよりも透明感のある演奏だった。低音はぶっとくてヘヴィなのだが、そのヘヴィさには負の感情は含まれておらず、純粋に音の重なりを楽しんでいるようだった。アンコールではJesuの曲の中でも重量級の"Friends Are Evil"をやったのだが、"Friends Are NOT SO Evil"という感じで、以前よりも明らかにダークな感情はなくなっている。
これはなぜか?初来日の2007年当時は、Justinの活動はJesuに集中していた所があったので、「dark side of Justin」も多少なりともJesuに入ってきていた。
しかし現在はGodfleshも再始動して活発にツアーをし、新作も控えている。またGreymachineで歪みに歪んだ超ド級ノイズサウンドを作り上げ、さらにはJK Fleshで荒んだ都会のスーパーマシナリーサウンドを出し切った。「dark side of Justin」は、Jesu以外の複数のユニットで発散出来るので、その結果Jesuは精製され、純化したからではないだろうか?
重い音なのだが、そこに悪意はない。音を重ねて重ねて、天の高みに昇っていく。今のJesuはそんな段階に到達していた。

Jesu↓

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今回のleave them all behind 2014のセットリストや写真、動画はこちらのJKBファンTumblrにバッチリ載っていますので、是非どうぞ。

A Beginner's Guide to Unwound

2014年06月06日
前回の記事で熱く熱くSurvival KnifeとUnwoundについて語ったが、今回はUnwound初心者ガイドのようなものを書いてみたいと思う。前々からUnwoundについて書きたいと思っていたが、日々の雑事に紛れたのと、きっかけがなくてなかなか手を着けなかった。しかしSurvival Knifeのデビューというちょうどいい機会に恵まれた。Unwoundの音楽は本当に素晴らしいし、現在のバンドにも大きな影響を与えているので、再評価されてもいいかと思う。というか、リイシューシリーズも出て、そういう機運は高まっているように思える。

さて、Unwoundのバイオグラフィー的なものは前回の記事を読んでいただくとして、最初に聴くならこれから!というおすすめアルバムを。

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Repetition (1996 Kill Rock Stars)

1996年リリースの5枚目のアルバム。このアルバムは、「Unwoundらしい」スタイルがよく出ているので最初の一枚に一番いいのではないだろうか。タイトで硬質なサウンドプロダクション、複雑なリズム、縦横無尽に炸裂するフィードバックノイズ、醒めているが訴えかけるものがあるヴォーカル、凛としたエモいメロディ、とUnwoundのトレードマークがこのアルバムでしっかりと固まった。
曲も粒揃いで、ファンの間でも人気の高い曲ばかりである。ポストハードコアの名盤として評価の高いアルバムである。
プロデューサーはずっとUnwoundを手掛けているSteve Fisk(Nirvana、Screaming Trees等90年代オルタナの代表的なプロデューサー)。
このアルバムが気に入れば、きっとUnwoundが好きになると思う。




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Challenge for a Civilized Society (1998 Kill Rock Stars)

1998年リリースの6枚目アルバム。プロデュースはこれまで同様Steve Fisk。前作でのスタイルをより進化させ、実験的で洗練された音になっている。極めてタイトな音で、”Laugh Track”や”NO TECH!"は完璧と言ってもいいかっこよさである。このアルバムが多少散漫な印象を受けるのは、前作「Repetition」のようなポストハードコアなサウンドと、次作(結果的にラストアルバム)の「Leaves Turn Inside You」のようなポストロックサウンドが混在しているからだろう。曲の完成度はどれも非常に高いし、文句なしにかっこいい。次作「Leaves…」で究極の境地に達するまでの予備段階とも言えるアルバムだ。気高いサウンドを存分に味わおう。
なお、"Sonata for Loudspeakers" でJustinがサックスを演奏しているのもちょっと珍しくて面白い。




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Leaves Turn Inside You (2001 Kill Rock Stars)

2001年リリースの、2枚組のラストアルバム。彼らの最高傑作との呼び声が高い。プロデューサーは長年手掛けてきたSteve Fiskではなく、Phil Ekである。これはそれまでの確立されたUnwoundサウンドからの脱却を目指したためであり、その通り、サウンドはポストハードコアからポストロック的なアプローチに大きく変化している。
アルバム全体を包む、夢見るような陶酔感。桃源郷か、あるいは彼岸か、ここではないどこか彼方へと到達し、仄(ほの)暗く柔らかな空間に漂うような、そんなサウンドになっている。
この音は、そんじょそこらのバンドには出せるものではない。ハードコアを通過し、あらゆる経験を重ねた者だけが到達できる、究極の音だ。
Justinのヴォーカルは、これまでのパンクスタイルから虚脱したようなウイスパーヴォーカルになっており、ギターもジャリジャリした感触はなくなり、極度に洗練された、滑らかで胸の痛みを感じるような素晴らしいものになっている。
特筆すべきはSaraのドラムだ。彼女のプレイはこれまでもちょっと変わった癖のあるフレーズを叩き出していたが、こういう静寂感のあるサウンドでは、絶妙なリズムが空間を埋めていくのが際だつ。
Vernのベースは、"Terminus"でのプレイがもうとんでもなくかっこいい。3人のコンビネーションが理想的に溶け合い、奇跡のようなサウンドを生み出した。
この素晴らしいアルバムを残し、彼らは解散してしまった。確かにこんな作品を作ってしまったら、もうやり切ったような気持ちになるのかも知れない。
実は過去に、(私があんまりUnwoundを激賞したせいか知らないがw)何人かの人がUnwoundに興味を持ってくれたのだが、みんな一番手に入りやすいこのアルバムから入ってしまい、「あれ、なんか思ってたのと違う…」となってしまった(;´Д`) このアルバムは、「Unwound=ノイジーなポストハードコア」というイメージで聴きたい人にはおすすめしない。他のアルバムを聴いてから、これを手に取る方がスムーズにその進化に馴染めると思う。逆にポストロックファンの人だったら、これから入るのがいいかも知れない。
なお、CDバージョンには"Scarlette" と"Radio Gra" のエンハンストビデオ(風変わりなアニメーション)が入っている。



これら3枚をまず聴いてみて、気に入ったらもっと過去の作品も聴いてみてほしい。よりパンキッシュでノイジーな音が待っている。
また、「A Single History 1991-1997」というシングル集(とデモ)は、彼らのアグレッシブさと聴きやすさが非常にいいバランスになっているので、これもおすすめ。私の個人的な愛聴盤である。
それからMatador Europeから出た「Further Listening」というベスト盤もあるので、気軽にUnwoundを聴いてみたい場合はこれもどうぞ。



さて、2002年の解散後の事を書いてみよう。
各メンバーの新しいバンド活動については前回書いたので、 Unwound関連で。

Unwoundの現役時代のサイトはこの「Unwound - nervous energy」なのだが、近年になって、メンバー自身が手掛けている「Unwound Archive」というサイトが出来た。1991年から2002年までのUnwoundの全活動の記録と、最新ニュースが詰まっている、読み応えのあるサイトだ。完璧なディスコグラフィーがあるので、より深く聴きたい人にはお役立ち!

このサイトがきっかけとなって、バンドによる自主リリースの「Live Leaves」という、ラストツアーのライブ音源を集めたアルバムが2012年に出た(このアルバムについてのJustinによる文章はこちら)。

また、Unwoundは2013年にNumero Group(過去作品のリイシュー専門レーベル)とライセンス契約を結び、豪華なアナログボックスセットシリーズを2013年からリリース中。これが出たことによって、Unwoundの作品の価値を認められたということで、Justinは新たな活動にあたって勇気づけられたそうだ。
Numeroからリリースされたものは以下の通り。

Giant Henry / Big Baby
これはUnwoundの前身バンドGiant Henry名義のアルバムで、彼らがまだ高校生だった頃の音源。

Kid Is Gone
1st”Unwound"を含む、初期音源を集めた3枚組ボックスセット。レアな写真満載のブックレットも入った豪華版!

Rat Conspiracy
2ndアルバムの「Fake Train」と「 New Plastic Ideas」を含むレア音源を集めた3枚組ボックスセット。

これらはLPかダウンロード音源だけで、CD版はないので注意!まだ今後も出るらしい。

また、このリイシューシリーズのリリースに合わせたJustinとSaraのインタビューはこちら!Unwoundの再結成はないそうです・゚・(つД`)・゚・ でもそれが潔くて彼ららしい。

Unwoundのアルバムは、CDはもうあまり出回っていなくて、あってもかなり高くなっているものが多い。でもiTunesになら完璧にあるので、こちらもどうぞ↓

Survival Knife / Loose Power (......from the ashes of Unwound !)

2014年06月05日
待ちに待ったSurvival Knifeのデビューフルレングスアルバム「Loose Power」が出た!このアルバムが出るのをどんなに首を長くして待ち焦がれていた事か。
といっても、Survival Knifeを語る前に、メンバーのJustin Trosper(Vo、G)とBrandt Sandenoが以前在籍していたUnwoundについて語らなければ始まらない。Survival Knifeは、2002年に突然解散してしまったUnwoundファンにとって、これ以上ない喜びなのである。

Unwoundは1991年にアメリカワシントン州オリンピアで結成された。メンバーはVo&GがJustin、ベースにVern Rumsey、そしてBrandtはドラムだった。1992年にBrandtは脱退してドラムはSara Lundに交代するが(以後解散までこのメンツ)、BrandtはUnwoundのラストツアーにキーボードで参加していたりと常に交流はあったようだ。
Unwoundは1990年代のアメリカ北西部を代表するインディーバンドだ。この記事にもあるが、ワシントンDCにFugazi、NYにSonic Youth、カリフォルニアにPavementがいたように、北西部にはUnwoundがいた。
Unwoundは設立して間もない、オレゴン州ポートランドのKill Rock Starsと契約を結び、解散までこのレーベルと強固な関係性を保ち続けた。KRSはBikini KillやSleater-Kinneyなどを擁し、90年代半ばの「Riot grrrl(ライオット・ガール)」ムーブメントの中心的な存在となっていったレーベルだ。(ちなみにライオット・ガール・ムーブメントとは、簡単に言うとフェミニズム的な主張を持つガールズ・パンク・バンドのムーブメントである。)
Unwoundはライオット・ガールのバンドではないが、ドラムは女性だし、パンクのDIY精神を強く持ち、男女平等主義を尊重したバンドである。

Unwoundの音楽性は「Sonic Youth meets Fugazi」などと形容された事も多かったが、元祖ポスト・ハードコア的な位置にいながら、ノイズロックの要素も多く持ち、複雑なリズム展開で「Prog-punk(プログレパンク)」「Math Rock(マスロック)」とも呼ばれた。
日本ではこの「Sonic Youth meets Fugazi」が仇となってSonic Youthフォロワー、Fugaziフォロワーの一つとして片付けられてしまい、知名度は高いとは言えないが、アメリカでは彼らに匹敵するほど熱狂的なファンが多かった。
ポストハードコアをベースにちょっとエモさのあるメロディ、不協和音を多用するギターノイズ、タイトでソリッドな変則リズムはアルバムを重ねる事に洗練の度合いを増していき、気高く凛としたサウンドは心を捉えて離さない。ノイズを美に昇華した、唯一無二の存在だった。
2001年のラストアルバム「Leaves Turn Inside You」では陶酔のノイズ空間をたゆたうポストロック的なサウンドになり、もうある一つの境地というか到達点に達し、この傑作を残して2002年4月1日(!)に突然解散してしまった。

私がUnwoundの存在を知ったのは、彼らが解散した頃だったと思う。Epitonicという音源ストリーミングサイト(このサイトは一度なくなったが数年前に復活。非常にセンスの良いセレクションで、私の音楽人生にかなりの影響を与えたのであります。)の「Math Rock」のジャンルに彼らの名前を見つけた。マスロックなんて言葉はそこで初めて知ったが、要するにShellac系の、パンク/ハードコアにルーツを持つ、複雑な展開をするバンドの総称らしい。
当時の私はインダストリアルに倦み、新しい音を探していた。ハードコア系のライブにも頻繁に行き始めていたが、Epitonicで試聴したマスロックバンドの音に強く惹かれ、中でもUnwoundの音は、ある意味私にとっての理想形を見たようだった。
解散した頃に知ったから、後追いでアルバムを聴き漁ったが、これぞ私の求めていた音!ストイックに激しく、秘めた情熱をノイズの海に解き放ち、何かを決意したように、崇高の美へと結晶化していくようなサウンド。もっと早く知りたかった!
なお、2002年に日本ツアーも決まっていたようなのだが、解散で中止になってしまったようである。その前には来日したことはある?(Wikiに日本にも来たことがあるような記述があるのだが、中止になったツアーの事を言っているのだろうか?)



↑地元オリンピアでのラストライブ。最近アップされているのを見付けたが、ちょっと涙出た(;´Д`) 素晴らしい最期である。

Unwound解散後は、Sara LundはAndrew Price(Irving Klaw Trio)と共にHungry Ghostを結成(来日もしている)。また、Sleater-KinneyのThe Corin Tucker Bandにも参加している。Vern RamseyはFlora v. Faunaを結成したようだが、あまり活発な活動はしていないようだ。
そして、Justin Trosperだが、長い間何をやっているのか全く分からなかった。が、突如2011年に新バンドを結成というニュースを聞き、狂喜した!しかもUnwoundのオリジナルメンバーのBrandt Sandenoと一緒に!
前置きがとてつもなく長くなったが、これが今回紹介するSurvival Knifeである。


JustinはUnwound解散後、しばらくの間自宅スタジオでオリンピアのローカルバンドのレコーディングを手掛けていたらしい。しかし、その後機材を売り払い、LAに移ってコミュニティ・カレッジ(公立の2年生大学で、誰でも学ぶことが出来る)で人類学と地理学を学んでいたらしい。Justinによると、高校時代からUnwound解散まで、人生のすべてが音楽で、何か音楽以外のことをしたかったそうだ。Unwound解散時、Justinは30歳。確かに30になって、音楽以外のことを全然知らないのはヤバいと思うのも分かる気がする。LAにいた間、音楽活動は一切しなかったそうだ。ライブはもちろん、ギターにも全然触れずホコリを被っていたらしい。
そしてまたオリンピアに戻り、Brandtと話しているうちにまた一緒に音楽をやろうという事になった。Brandtは既にオリンピアのローカルミュージシャンのKris Cunningham(ドラム)とMeg Cunningham(ベース。この二人は夫婦らしい)と活動していたので、ここにJustinが合流して、2011年にSurvival Knifeが誕生した。

リハーサルを重ねた後、まず2013年3月にSub Popから1stシングル"Traces of Me / Name That Tune" をリリース。続いて同年10月に古巣のKill Rock Starsから2ndシングル"Divine Mob"をリリース。そして待望のフルアルバム”Loose Power"を2014年4月にGlacial Pace(Modest MouseのIsaac Brockのレーベル)からリリース!







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Survival Knife / Loose Power (2014 Glacial Pace) 

さて、待ちに待った1stアルバム。このアルバムを聴く前に、上記の2枚のシングルを聴いて、その音にびっくりした。あまりにもストレートなパンクロック!Unwoundのラストアルバム"Leaves Turn Inside You"での陶酔ポストロックから、この原点回帰!2ndシングルの"Divine Mob"はこのアルバムの1曲目にも入っているが、パンクの初期衝動が戻ってきたような激しいロックチューン!こう来るとは思ってはいなかったので、かなり意表をつかれたUnwoundファンも多いだろう。
とにかくスーパータイトな音である。かっこいいギターリフを次々に繰り出し、所々Unwoundの香りも残しつつ、激しく突っ走る!UnwoundのギターはJustin一人だったが、今度はJustinとBrandtのツインギターになり(最初ドラムで、キーボードもやるし、マルチプレイヤーだなぁ)、ソリッドでダイナミックなサウンドになっている。
実験的な側面もあったUnwoundに比べて、Survival Knifeのサウンドはかなりキャッチーだし分かりやすい。Unwoundサウンドの要の一つであったフィードバックノイズも抑え、輪郭のくっきりとした音になっている。
しかし、ただ分かりやすくキャッチーになった訳ではない。注意深く聴いていると、職人的なソングライティングを感じさせる、しっかりと構築された曲展開、練りに練られたギターリフ、心憎い凝ったリズムであることに気付く。
Justinはこのインタビューでこう語っている。

「ちょっと年を取って若いミュージックシーンから離れてみると、ただの社会事業のように見えるバンドがたくさんいるのに気付いた。彼らには目指す『サウンド』があるけど、ソングライティングのバックボーンも、超クールなリフもあんまりない。僕はギターの革新のためにメタルを聴いている。90年代にはそんなことはなかったと思うけど、インディーシーンからは面白い演奏が奪われてしまったように思える。エレクトロニック系の音楽の人気と宅録は良くも悪くもあらゆる事を変えてしまった。そういうシーンにはものすごくたくさんの革新的なことがあって、インディーシーンにも引き継がれたけど、山ほどの素人芸のクズをもたらした。公平を期するために言うけど、僕自身、自分が怠惰だったのとあまりにも情報が多すぎたせいで、そういうものに触れてこなかったんだ。(略)
僕たちがやろうとしているのは、ポストパンクバンドとしてでもメタルバンドとしてでもなく、面白いギター中心の音楽を前面に持ってくることなんだ。」
「世間は僕がもっと『アートな』ことをやるのを期待したかも知れない。少なくとも今の時点では、Survival Knifeは完全なロックバンドなんだ。」

90年代のインディシーンを駆け抜けた実績と経験を踏まえ、今、自分たちはシーンに足りない、どんなものを提供できるのか。その答えがこのアルバムだ。
経験豊かなミュージシャンが行きがちなアート系にはあえて行かず、上質なロックンロールに徹する。フレッシュで潔い、誠実な選択だ。かっこいいギターリフのロックに、ちょうど飢えていたんだよ!



↑現在Modest Mouseと絶賛ツアー中!これは2014年5月9日のサンフランシスコでのライブ。SaraのHungry Ghostも一緒に廻っているようでほっこりw

Type O Negative update

2014年06月02日
久々の更新であります。
4/14のPeterの命日に更新しようと思ってたんだけど、なんか忙しくてつい(;´Д`)
Twitterでは命日ツイートしたんですが。
もう4回目の命日でしたね・・・

さて、久々のType O関係の情報アップデートです。

まず、出る出ると言っていてなかなか出版されないPeter Steeleの伝記ですが(去年10月に出るはずだったんですが、加筆等より充実した内容にするため延びました)、ついに!今年のハロウィンの日に出版が決定したらしいです。
このJeff Wagner氏による「Soul on Fire - The Peter Steele Biography」のプレオーダーをこのページで受け付けています。メールアドレスを登録すると、出版の一週間前に手に入るそうですが、日本からだとあまりメリットはないかも(;´Д`)
また、Kindle版はこの半年後に出るそうです。

次のニュース!Johnnyがまた新しくバンドに加入しましたw Pantera/DownのRex Brownのバンド、Kill Devil Hillに、Vinny Appiceの後任としてメンバーになったそうです。
Johnnyは現在DanzigとA Pale Horse Named DeathとSeventh Void(Kennyとのバンドだけどこれは今活動休止っぽい?)と、そしてTONと5つのバンドを掛け持ち中でありますw
現在KDHは絶賛ツアー中で、彼のFacebookページでいろんな所に行ってるのを見かけます。
残されたTONメンバーの中では、Johnnyが現役バリバリで大活躍中、Kennyはあんまりアクティブではなさそう。Joshはもう事実上ミュージシャンは辞めちゃったみたいだし。

最新のJohnnyのインタビュー動画がここで見られます。

「ツイン・ピークス」再見

2014年02月25日
前回の記事でも書いたが、Huluで「ツイン・ピークス」をもう一度全部見直してみた。こういう昔見たのをもう一度見る、って時はやっぱ見放題がいいね。

「ツイン・ピークス」と聞いて「おおっ!」と思うのは団塊ジュニア以上だと思うので、一応解説。
「ツイン・ピークス」はデヴィッド・リンチ監督の、90年代前半に世界的な大ブームを巻き起こしたカルトドラマなのであります。リンチ監督はそれ以前にも「イレイザーヘッド」や「ブルー・ベルベット」などの映画作品でカルト的な人気を誇っていたが、一般的な知名度がグッと上がったのは、この「ツイン・ピークス」によるものでありましょう。

今のようなスタイルでアメリカのテレビドラマが日本で見られるようになったのは、「ツイン・ピークス」が最初だったと思う。確かにそれ以前からも一部の米ドラマは日本でも人気だったが、「刑事コロンボ」にしろ、「大草原の小さな家」にしろ、地上波テレビでの放送で、家族と一緒に見るものだった。「ツイン・ピークス」は1991年4月のWOWOW開局と同時に放送されるという「衛星放送で見るドラマ」の先駆けであり、レンタルビデオで一気見、という今の米ドラマブームに続くスタイルを作り上げた作品だと思う。

舞台はアメリカ ワシントン州、カナダ国境まで8kmの架空の街、ツイン・ピークス。深い森に包まれ、時代の流れから取り残されたような小さな田舎町で、ハイスクールの人気者だった美少女、ローラ・パーマーの死体が発見される。湖畔でビニールにくるまれた姿で発見されたローラの死は、犯罪とは無縁ののどかな町に衝撃をもたらす。しかし、一見のどかな田舎町に見えるツイン・ピークスは、裏ではドラッグや暴力、陰謀、殺人などの暗黒面を持っていた。そして、深い森の奥には「何か」があった・・・

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「世界一美しい死体」とのふれこみの、ビニールにブーケのようにくるまれたローラのイメージ↑は強烈で、怪しい人物ばかりのツイン・ピークス町民の人間関係、謎が謎呼ぶローラの日記、深い森の北ヨーロッパのような寒々しい風景にドはまりする人続出。当時私は二十歳そこそこで、まさにストライクゾーン。私は地上波で放送されてから見たが、確か毎週土曜の深夜、ワクワクとテレビの前に座ったのであった。
また、当時はグランジブーム席巻でワシントン州のシアトルが世界的な注目を集めており、シアトル近郊が舞台というのも相乗効果があったと思う。なんとなくアメリカ北西部がイケてるような空気だったw
なお、ロケ地はシアトルから車で30分くらいのスノコルミーという町周辺で、当時はロケ地を巡るツアーも大盛況。印象的な滝に臨む「グレート・ノーザン・ホテル」は、実際にはSalish Lodge and Spaという高級リゾートホテルである。

さて、前置きが長くなったが、私がこの作品をまた見てみようと思ったのは、当時見始めは熱狂的にはまったのに、途中からなんだかついていけなくなり、結末にもモヤモヤしたものが残り、スッキリしない印象をずっと持っていたからである。
このモヤモヤ感は作品が不出来だったからなのか、私が若くてバカだったから理解出来なかったからなのか、もう一度確かめたいという気持ちをもう20年くらい持っていたw

このドラマは、「誰がローラ・パーマーを殺したか?」というのがやはり一番のキモであるのでミステリーかと思いきや、超自然的なものがフツーに出て来るので、「ミステリー風のホラーサスペンス(&コメディ)」としっかり認識してから見た方がいいと思う。
主役はFBI特別捜査官のクーパー(変人だが)であるし、当時視聴者はみんなクライムサスペンスとしての展開を期待していた。
しかしクーパー(カイル・マクラクランはこれ以上ないほどのハマり具合)の捜査法は夢のお告げが根拠だったり、瓶に石を投げて決めたりと「科学捜査」というものから程遠い( ;´Д`) 優秀な捜査官ではあるのだが、エキセントリック過ぎて視聴者は「ポカーン」w

ただ、かなり初期段階からローラを殺したのは超自然的なもの、という描写は何度も出て来るので、改めて見てみたらあの「ポカーン」は視聴者の思い込みのせいだったかも、という気もする。
また、リンチとマーク・フロスト(リンチと共同で脚本担当)の一番描きたかったのはツイン・ピークスの町と住民であり、誰が犯人かということにはそれほど重きを置いていなかったのではないか?とも思う。異様なほどにキャラクターの私生活を細かく描写しているし(本筋とは関係ない場合が大半)、架空の町の細部を描き込みたくて仕方がなかった、というのが改めて見てみた後の印象である。
キャラクターは突飛な人物ばかりだし、トレカがほしくなる程だw
なお、リンチ自身も耳が遠くてやたら大声で話す、クーパー捜査官の上司という役所で出演している(これ、好きなキャラクターw)。

しかし、改めて見てみると話の展開がほんとに遅いので、今のドラマに慣れた目にはじれったさを感じると思う。
変なキャラクターの変な私生活ばかり描いていて、ちっともローラ殺しの犯人探しが進まないw
でも当時もやはり「だから犯人は誰なんだよ」という世間の声が大きかったので、制作側もプレッシャーに負けてシーズン2の半ばで犯人を明かしてしまった。犯人が分かってしまうと急速に視聴者は興味を失い、視聴率も急降下。

またリンチもフロストも別映画の制作があったので、シーズン2の大半には関わっておらず、脚本も監督も別の人がやったものばかり。特にシーズン2の後半は散漫な印象で、当時私が飽きて来たのもこの辺だった。
ウィンダム・アール(かつてのクーパーの相棒)の復讐のくだりは、あんなにダラダラやらずに2話くらいで決着を着けた方がメリハリついてよかったんではないか?

けれども最終話はフロスト&リンチ脚本、リンチ監督という元々の布陣で、改めて見たらすごく良い出来だった。さすがの鮮やかな手腕である。
昔見た時はスーパーナチュラルな結末にモヤモヤした印象があったけど、今見てみるとホラーとして正しい終わり方だった。
ということは、モヤモヤしたのはシーズン2後半の散漫さのせいであって、超自然的決着のせいではなかったのであった。

と、全体像を再確認して思うに、やはりこのドラマの一番の見所は、生き生きと変な事をする変なキャラクター達だ。
それと、一般的なテレビドラマのレベルを遥かに超える美女がたくさん出て来るので、これもポイントだ。



↑左からローラの親友、ドナ役のララ・フリン・ボイル、グレート・ノーザン・ホテル社長の娘オードリー役のシェリリン・フェン、ダイナーのウェイトレスのシェリー役のメッチェン・アミック。
他にも香港から来た美女、ジョシー役に「ラスト・エンペラー」の皇后役のジョアン・チェンが出演している。

昔見た時は若かったから分からなかったのだと思うが、役者として一番輝いているのは、グレート・ノーザン・ホテル社長のベンジャミン・ホーンを演じている、リチャード・ベイマーなんじゃないかと歳食ってから思ったw ホーンは地元の名士で手広くやってる実業家なのだが、裏では相当悪どい事をやっている。この悪党をベイマーさんは実に楽しげに演じている。悪党だけどどこか憎めないキャラクターなのだ。
調べてみてびっくりしたのだが、彼はあの「ウエストサイド物語」のトニーをやっていた俳優さんなのであった!

そして、美しい自然の風景。この魅力が占める割合も半分くらいあると思う。
この↓オープニングのタイトルバックでも十分感じてもらえると思う。



それから、何度も出てくるダイナーのおいしそうな食べ物。チェリーパイはブームになったし、クーパー捜査官激賞のコーヒー、保安官事務所にいつもたんまり並べてあるドーナツ。これも楽しい見所だ。

「ツイン・ピークス」の魅力、それは「鳥獣戯画」の魅力と似ているのかも知れない。

(なお、ドラマ終了後にドラマの前日譚として「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」という映画も撮られているが、こちらは未見)







「セクレタリー」(2002年/アメリカ映画)

2014年02月16日
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私は日本上陸時からHuluを見ているのだが、昨日たまたま見てみた「セクレタリー」という映画に思いがけずいたく感動してしまったので、最近放置気味だったブログを更新しようと思い立ったのであります!
(*注* ネタバレありますのでご注意!)

Huluは映画の監督名や出演者情報が全然ないので(これなんとかしてくれよ~)、ジャンルやあらすじから何となく選ぶしかないのだが、この「セクレタリー」は『リーが生まれて初めて挑戦した就職は、グレイ弁護士事務所の「従順な秘書」。変わり者の雇い主、ミスター・グレイとの息はぴったり。彼はリーのタイプミスを何度も打ち直しさせ、体のクセを指摘する。その厳しさに感謝する彼女だが、ある日、タイプミスのお仕置きにお尻を叩かれたリーは、猛烈な快感を覚えてしまう。一方、ミスター・グレイも、リーを教育することで、欲求が満たされるのを感じていた。』というどう考えてもC級エロ映画なあらすじw。しかしジャンルが「コメディ」だったのに興味を覚えたので見てみた。

映画が始まってみると、クレジットにデーンとジェームズ・スペイダーの名前が出たので一気に合点がいったw 彼がグレイ弁護士役で、マギー・ギレンホール(「ダークナイト」etc.)がリー役。この二人の演技が本当に素晴らしく、役にぴったりとはまっていた。

リーは家庭に問題があり、10代の頃から自傷行為をすることで精神を安定させていたが、母親に見つかり精神病院に入院。物語は彼女が退院した日から始まる。
社会復帰のためコミュニティカレッジ(公立の短大みたいなもの)でタイプを学び、その技能によりグレイ弁護士事務所の秘書として雇われる。
グレイ弁護士は彼女のタイプミスや服装、髪を触ったりする癖を厳しく矯正するが、リーは従順に応え、教育してくれる彼に感謝する。初めはダサかわ系だった彼女の服装も次第にエレガントになっていき、見事に「エロい秘書」に変身w 高校時代からの知り合いのピーターともデートするようになり、充実した日々を過ごしていた。

しかし職場にもかわいいお裁縫箱に入れた「自傷セット」を持参しているのをグレイ弁護士は見逃さなかった。彼はリーに優しく語りかけ、二度と自傷行為をしないように約束させる。彼女はグレイ弁護士に上司以上の感情を抱き始める。
その後も相変わらず厳しい教育をするグレイ氏だったが、ある日タイプミスをしたリーに「お尻ペンペンの刑」を!それに思いがけずリーは激しい快感を覚え、以後「ご主人様と従順な下僕」の妖しい関係に。
自宅の食事メニューをグレイ氏に電話報告し、食べる量を細かく指示されて、嬉々として従うリーw
彼女は自分のマゾヒストとしての素質を自覚し、自己を解放していったが、グレイ氏は自分のサディストとしての素質を受け入れられず、彼女の愛を拒絶し、解雇してしまう。
絶望したリーは、ピーターのプロポーズを受け、婚約してしまうが・・・

物語の前半は、エキセントリックなグレイ氏とおどおどしたリーの関係が妖しい緊張感を持って描かれ、サスペンスか?!と思うのだが、物陰からリーの様子を窺うグレイ氏(「家政婦は見た!」張りの怪しさ爆発w)とか、リーのグレイ氏との妄想風景が妙にチープで少女趣味だったりとか、随所笑いどころがw
ジェームズ・スペイダーは、本当にこういう「一見エリート、実は変態」という役が合うw
カイル・マクラクラン(今、「ツイン・ピークス」も見直してるので後ほど書こうと思う)と共に、アメリカが誇る変態エリート俳優だ。ジェームズ・スペイダーは大学生の時に「セックスと嘘とビデオテープ」を見て以来、なんかツボにはまる俳優だったのだが、この「セクレタリー」での演技は「セックス・・・」に勝るとも劣らない素晴らしいものだ。

また、マギー・ギレンホールもすごい美人でもなく、すごいナイスバディでもないところがかえって合っていて、「こういう一見地味で真面目そうなのが実はドMなんだよ~」と思わせるリアリティが。おどおどしていた彼女がMに目覚め、どんどん綺麗になっていくのは女性の自立の物語としても見ることが出来、C級エロ映画かと思ったら実は極めて真っ当な成長物語なのであった。

物語の後半で、この映画が実は純愛物語だったことが分かる。お互いシャイな二人が不器用に心を通い合わせ、こんなに相性がぴったりな相手なんていない!と気付いていく。
リーがグレイ氏の過酷な放置プレイを見事クリアし(この描写がすごいコミカル)、ハッピーエンド!このエンディングが実に清々しく、まさかSM映画で感動するなんて!w 「爽やかな純愛SM映画」というのはこの広い世界にもそんなにないのではないだろうか。
英語版wikiで調べてみたら、スティーヴン・シャインバーグ監督は「マイ・ビューティフル・ランドレット
」(若きダニエル・デイ・ルイス主演の映画で、私の非常に好きな作品)にインスピレーションを受けたと語っていて、性的マイノリティの純愛映画として確かに共通する部分があると納得したのであった。

それと、美術セットにも注目!グレイ氏は事務所で蘭を育てているのだが、闇の中で艶めかしく息づく蘭や、ダークな色合いのやたらデコラティブな壁紙とか、「ああ、変態だな」と思わせるw
それに対してリーの部屋は淡いラベンダー色が基調の少女趣味なインテリア(ロリータっぽいっていうか)で、自傷セットのお裁縫箱もラベンダー色だし、求人情報に丸を付けたペンもラベンダー色だし、彼女の内面がまだ少女から脱していないことをよく表している。
ちなみに、グレイ氏がタイプミスを指摘するペンは真っ赤で、その赤に喜ぶリーは、確実に成熟している。

C級変態SM映画かと思ったら爽やかに感動してしまった素晴らしい作品なので、是非見てみてください!

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